レポート協和香料化学株式会社

2002/08/29

TDB企業コード:985163657 東京都品川区 無認可添加物問題の食品香料メーカー 破産宣告受ける 負債16億円

「東京」 協和香料化学(株)(資本金2000万円、品川区大井1-22-5、代表平瀬明男氏)は、8月28日に東京地裁へ自己破産を申請、8月29日に同地裁より破産宣告を受けた。

 破産管財人は田中伸明弁護士(千代田区神田駿河台3-3-5、電話03-5280-0831)。

 当社は、1957年(昭和32年)3月に設立された食品香料の専門メーカー。各種エッセンス、油性香料、乳化香料、天然香料、粉末香料、その他食品添加物などの食品香料の製造販売を行い、輸入香料などを自社工場で調合して販売するものが大部分を占めていたが、他社製品の販売も一部手がけていた。特に、乳製品系統の香料については独自の技術を有し、最近では飲料関係や菓子業界向けにも力を入れ、ピーク時の90年12月期には年売上高約20億9300万円をあげていた。

 主な得意先として大手食品・菓子メーカーなど多数の優良企業を抱え、業績は堅調に推移していたものの、景気低迷の影響から97年同期の年売上高は約17億3400万円にとどまり、経常欠損計上を余儀なくされていた。その後、人件費の削減などリストラを実施し収益改善に努め、2001年同期には年売上高約16億1200万円にとどまっていたが、4期連続して経常黒字を確保していた。

 こうしたなか、2002年5月に国内で無認可の添加物「アセトアルデヒド」などを含む香料を以前から出荷していた事実が発覚。当社の工場(茨城県十王町)がある茨城県から自主回収を命じられ、営業停止処分を受けていた。以降は現金収入がゼロの状態が続いていたことで従業員に対する給与の支払いが困難となり、8月23日付で全従業員を解雇していた。この間、食品メーカーなどが相次いで製品の自主回収に追い込まれたことで、取引先から請求された損害賠償額が多額にのぼり、事業継続が困難となっていた。

 負債は損害賠償額約12億円を含め約16億円。