レポート株式会社雅秀エンタープライズ

2002/08/27

TDB企業コード:983892498 東京都目黒区 結婚式場「目黒雅叙園」を経営 民事再生法から会社更生法へ切り替え 負債883億円

「東京」 既報(8月19日ほか掲載)、8月6日に東京地裁へ民事再生手続き開始を申請し、8月21日に再生手続き開始決定を受けていた、(株)雅秀エンタープライズ(資本金7億5755万円、目黒区下目黒1-8-1、代表細川雅義氏、従業員257人)は、8月26日に東京地裁へ会社更生法の適用を申請した。

 申請代理人は柄澤昌樹弁護士(千代田区神田多町2-11-4、電話03-5295-3133)。保全管理人には渡邊顯弁護士(中央区銀座5-6-2、電話03-3571-0606)が選任されている。

 当社は、1989年(平成元年)5月設立の結婚式場経営会社。前身は28年(昭和3年)12月に設立された(資)雅叙園で、31年(昭和6年)に「目黒雅叙園」を開業。以後、増築拡張を続け、華麗な装飾から「昭和の竜宮城」とも称され、国の有形文化財として登録されていた。91年11月には約850億円の融資を受けて新目黒雅叙園を建設するなど積極的に事業を展開、95年9月期には年収入高約190億円を計上していた。

 婚礼を主体とするバンケット・ホテル部門が70%、オフィスビル(アルコタワー)賃貸部門が30%で、主力のバンケット・ホテル部門では、レストラン、ホテル(全61室)のほか、美術館並びにフィットネスクラブの経営も手がけていた。

 2001年4月には、株式会社化による意志決定の迅速化を図るべく(資)雅叙園と(株)雅秀エンタープライズが合併、(株)雅秀エンタープライズを存続会社として以降、当社が「目黒雅叙園」の経営を行っていた。

 バブル崩壊後の景気低迷により過去の設備投資に見合う業績をあげられていなかったうえ、借入金負担が経営を圧迫、欠損計上が続き、2001年同期の年収入高は約72億3700万円(但し合併による6ヵ月決算)にとどまっていた。この間、2001年4月にはフィットネスクラブの運営を外部委託に切り替えるほか、同年6月には美術館を閉鎖するなどリストラを実施してきたが、金融機関が債権譲渡を実施するなど債務の弁済が厳しくなり、民事再生法を申請していた。

 さらに今回、より強力に再建を図っていくため民事再生法から会社更生法へ切り替えることになった。

 負債は約883億円。