業界情報記事

国内タクシー業者3376社の経営実態調査

減車政策のなか総収入高は微減にとどまる
〜 中小規模の再編、加速の兆し 〜

はじめに

ここ数年でタクシー業界を取り巻く環境が変化している。2002年の道路運送法改正でタクシー事業者の参入規制が免許制から許可制に緩和され、タクシー業界に新規参入が増加した。リーマン・ショック以降、輸送人員が減少するなか、一定の地域ではタクシー車両の大幅増加で経営環境が悪化。運転手の賃金低下や安全性が問題視され、車両数を規制する動きとなった。これを受けて2009年にタクシー特別措置法が制定され、特定地域では減車に向けた話し合いが進んでいる。

2020年の東京五輪開催に伴うインバウンド需要など多様化したニーズに対応すべく、タクシー業界はタクシー・ハイヤーの「配車アプリ」や、スマートフォンを活用した「Uber(ウーバー)」などの配車サービスを開始するなど、IT化の波が訪れている。今後はこうしたIT化に加えて、一般ドライバーがマイカーを利用し有料で客を送迎する「ライドシェア」の流入で、業者間の競合が激化する可能性がある。

帝国データバンクは、2016年4月時点の企業概要データベース「COSMOS2」(146万社収録)の中から、2015年(2015年1〜12月期)決算の年収入高が判明した国内タクシー業者3376社を抽出し、収入高総額・収入高推移、地域別、業歴別、従業員規模別、合併動向について分析した。同様の調査は今回が初めて。

調査結果

  1. 1 国内タクシー業者3376社のうち、2014年および2015年の年収入高が判明した2946社を対象に年収入高総額を比較すると、2015年は1兆1053億8200万円となり前年比20億7700万円減(0.2%減)の微減となった
  2. 2 2015年、2014年、2013年の年収入高が判明した2803社の動向をみると、2015年は「増収」企業が527社(構成比18.8%)、「減収」企業が822社(同29.3%)となり、「横ばい」企業が1454社(同51.9%)と半数以上を占めた
  3. 3 2015年および2014年の年収入高が判明した2904社を都道府県別でみると、増収企業の割合が最も高かったのは「石川県」(9社、構成比37.5%)となり東京を抜いてトップ
  4. 4 業歴別では、「50〜100年未満」(2174社、構成比64.5%)が最多
  5. 5 合併件数では2015年に16件の合併が行われ、資本金別にみると、「1000万円〜5000万円未満」の中小クラスの合併が目立つ

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