2009年9月29日
2008年焼酎メーカー売上高ランキング |
売上高合計は過去最高を記録、売上高伸び率トップは霧島酒造 |
はじめに
焼酎メーカーの2008年(2008年1月期〜12月期)の上位50社売上高合計は、今回ランキングから外れたオエノンホールディングス(株)(東京都)の調整後で、前年比3.8%増の3471億9500万円(調整前3090億1300万円)と、ピークの2004年を上回り、過去最高を記録した。「黒霧島」を主力ブランドとする霧島酒造(株)(宮崎県都城市)は、前年比23.2%増の6年連続二ケタ増収を果たした。売上高トップの三和酒類(株)は同0.1%減の4年連続前年割れ。上位50社のうち九州・沖縄地区の企業数は前年と同じく46社だった。
この調査は帝国データバンクの企業情報データベース「COSMOS2」に収録されている焼酎製造を主業とする焼酎メーカーで、売上高に占める焼酎比率が50%以上の全国の企業を対象に調べた。昨年に続いて6回目の調査となる。
調査結果
トップの三和酒類は4年連続前年割れ
売上高トップは6年連続で三和酒類(株)(大分県宇佐市)だった。主力の麦焼酎「いいちこ」は、全国のトップブランドとして高い人気を誇る。首都圏、関西地区などの大都市圏に営業を展開する一方、アジア、北米など10カ国以上の在留邦人や現地の飲食店向けの営業にも注力している。しかし、焼酎ブームの沈静化に加え、芋焼酎の市場拡大や大手酒類メーカーの参入などの影響で、前年比0.1%減の567億8600万円と4年連続前年割れとなった。
2位は前年3位の霧島酒造(株)。主力の芋焼酎「黒霧島」は、現在も生産設備のメンテナンス期間を短縮するなどの体制で増産に取り組んでいるものの、出荷調整を余儀なくされるほど好調を持続している。2007年7月に実施した値上げも寄与して同23.2%増の368億7200万円となった。
3位は前年4位の薩摩酒造(株)(鹿児島県枕崎市)。全国的にも高い知名度をもつ「さつま白波」を中心に、「黒白波」、「我は海の子」、「神の河」などを展開しているが、関東、関西方面などへの出荷が伸び悩んだこともあって、2年連続となる同2.5%減の234億円。
4位は前年5位の雲海酒造(株)(宮崎市)。主力の麦焼酎「いいとも」、そば焼酎「雲海」のほか、芋焼酎「日向木挽・黒ラベル」、「さつま木挽」などを展開。芋焼酎の健闘もあって、同2.5%増の220億4100万円となった。
5位は前年6位の二階堂酒造(有)(大分県日出町)。「大分むぎ焼酎二階堂」のほか、「吉四六」、「豊後路」などを展開。焼酎ブームの沈静化で同0.2%減の201億円と2年連続で前年を下回った。
霧島酒造は6年連続二ケタ増収
売上高伸び率がもっとも大きかったのは霧島酒造(株)。2003年から2008年の売上高推移は、124億100万円(前年比14.6%増)→176億3900万円(同42.2%増)→207億8800万円(同17.9%増)→235億7800万円(同13.4%増)→299億4000万円(同27.0%増)→368億7200万円(同23.2%)と、調査開始以来6年連続二ケタ増収の急成長を続けている。二ケタ増収企業は前年と同じく5社だった。
上位10社の県別内訳は、鹿児島県が5社(前年8社)、宮崎県(同1社)、佐賀県(同1社)、および前回なかった大分県、長崎県、北海道が各1社。
メーカー数は鹿児島県が24社でトップ
県別のメーカー数は、鹿児島県が24社でトップだった。2位は宮崎県の6社、3位は沖縄県の5社、4位は大分県の4社と続き、前年と変わらず。
県別の売上高は、芋焼酎を主力とする鹿児島県が4年連続トップで1053億4100万円(前年比0.4%増)。2位は麦焼酎を主力とする大分県で829億8700万円(同0.4%増)。3位は芋・ソバ焼酎が主力の宮崎県。霧島酒造(株)の増収が寄与し、735億9300万円(同11.5%増)となった。
半数の25社が1億円を超える当期利益
上位50社のうち増収企業は22社で前年より2社増加した。判明しない8社を除いて、黒字企業は37社(前年比4社減)、そのうち25社(同2社減)が1億円を超える当期利益をあげた。増益企業は前年と同じく17社だった。
売上規模別では、500億円台および300億円台が各1社(前年と同じ)、200億円台が3社(前年比1社減)、100億円台が2社(同1社増)。50億円以上100億円未満の企業は7社(同1社増)だった。なお、6位のM田酒造(株)は初めて100億円を突破した。
上位10社のうち、鹿児島県が4社、宮崎県が3社(前年比1社増)、大分県が2社、熊本県が1社と宮崎県以外は前年と同じだった。
売上高合計は2年連続前年を上回る
今回、焼酎部門比率が50%を下回ったためランキングから外れたオエノンホールディングス(株)の売上高を調整した上位50社の売上高合計は、前年比3.8%増の3471億9500万円(調整前3090億1300万円(同8.6%減))と、2年連続で前年を上回った。焼酎ブームのピークとなる2004年の3383億9100万円を2.6%上回り、調査開始以降では、過去最高を記録した。
事故米の風評被害続く
昨年9月、三笠フーズ(株)が事故米を不正に販売していたことが発覚した。一部の焼酎メーカーが事故米と知らず使っていたことが判明したが、ほとんどのメーカーが決算後だったため、2008年決算への影響はなかった。しかし、2009年決算では、商品回収などの対応を余儀なくされたメーカーを中心に影響がでている。現在では小売店などでの販売はほぼ回復しているが、飲食店では未だ風評被害の影響が残っているようだ。その一方で、ブランド力を持つメーカーに受注が集中する傾向も見られるとの分析もある。
甲乙混和焼酎との競合も
鹿児島県酒造組合の発表によると、平成20年酒造年度(2008年7月〜2009年6月)の県内の焼酎出荷量が前年同期比1.7%減少した。値上げの影響などで同2.5%減少した平成19年酒造年度に続き、事故米の風評被害や消費低迷などにより2年連続で前年割れとなった。今後、大消費地の首都圏や関西地区で消費拡大を図るほか、消費量が少ない東北地区、北海道に販路を構築。海外向けも視野に需要を拡大していくとしている。
国税庁の発表によると酒類消費数量は1996年度の965万7000キロリットルをピークに、2008年度は876万1300キロリットル(96年度比9.3%減)に減少している。今後も、人口減少や高齢化社会の到来などで国内市場は縮小すると見られ、アジアなど海外市場の開拓も重要な成長戦略となる。すでに三和酒類(株)などが海外市場の開拓に注力している。
昨年秋以降の世界的な景気悪化で消費マインドが冷え込むなか、大手酒類メーカーの甲乙混和焼酎が売り上げを伸ばしている。今後、大手を含めたメーカー間のさらなる競合の激化は避けられないが、「品質」や「安心・安全」にこだわる焼酎づくりに取り組み、ブランド力を高めることが消費者の支持を得るカギになりそうだ。
- 宝ホールディングス(株)(京都市)の連結売上高1918億7800万円(2008年3月期)に占める焼酎部門の売上高は736億7900万円(構成比38.4%)、オエノンホールディングス(株)の連結売上高828億9300万円(2008年12月期)に対する焼酎部門の連結売上高は394億7800万円(同47.6%)と、構成比率が50%未満のため今回のランキングから外した。
詳細は本文(PDF 9.22MB)をご覧ください。
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