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2011年4月5日

TDB景気動向調査(特別企画):震災の影響と復興支援に対する企業の意識調査

東日本大震災の影響で、企業の約6割が需要減に

〜 復興支援への取り組み、企業の約7割がすでに実施・検討中 〜

はじめに

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震やそれにともなう大津波、さらに原子力発電所での事故、計画停電の実施など、未曾有の困難が続いている。また、今回の東日本大震災による人的、物的被害は過去最大規模になると予測されており、被災者や被災企業のみならず、取引企業への影響も懸念される。また、被災者や被災企業への支援も広がりをみせている。


帝国データバンクでは、東日本大震災の影響等を中央政府や地方自治体、各経済団体などへ早急に届け、日本が一丸となって復興策をまとめる一助とすることを目的として、震災の影響と復興支援に対する企業の意識について調査を実施した。

調査期間は2011年3月23日〜31日。調査対象は全国2万2,097社で、有効回答企業数は1万747社(回答率48.6%)。



※今回の景気動向調査にあわせて、ご協力会員のみなさまより「震災に対する企業からのメッセージ(被災地からの声、応援メッセージなど)」をいただきました。

以下のリンクより、ご覧いただけます(外部リンクとなります)

震災に対する企業からのメッセージ

調査結果

  • 企業の77.9%が震災による影響あり
    東日本大震災による自社への影響は企業の77.9%があると認識。特に、『東北』『南関東』『北関東』で8割を超えた。


  • 東日本大震災による影響、企業の約6割が需要減に
    東日本大震災により企業の57.6%が需要減少に直面。他方で19.9%が需要増となり、多くの企業が需要減に直面するなかで下支え役に。


  • 復興支援への取り組み状況、企業の約7割が実施または検討中
    企業の50.1%がすでに復興支援を実施、検討中(18.8%)も約2割に。『中国』『北陸』『九州』など西日本で高いものの、全国的に行われている。


  • 復興に必要なこと、「エネルギーの安定供給」「インフラ整備」が7割超
    日本の復興に必要なことでは、「エネルギーの安定供給」(75.8%)や「インフラの整備」(71.4%)など生活や経済活動の基盤を挙げる企業が多い。

企業の77.9%が震災による影響あり

東日本大震災による自社への影響について尋ねたところ、「影響はある(見込み含む)」と回答した企業は1万747社中8,368社、構成比77.9%で全体の約8割となった。一方、「影響はない(見込み含む)」は同7.3%(780社)だった。

「影響はある(見込み含む)」を地域別にみると、『東北』(同84.5%、392社)や『南関東』(同82.4%、2,957社)、『北関東』(同81.8%、518社)で影響のある企業の割合が8割を超えた。地震や津波による被害に加えて、原発事故や計画停電の影響など、大震災がさまざまな企業活動に広がっている様子がうかがえる。また、直接の被災地ではない『九州』(同68.0%、579社)においても7割近くとなっており、震災の影響は何らかの形で全国の企業に及んでいる。

業界別では、『運輸・倉庫』(同81.1%、327社)と『卸売』(同80.4%、2,709社)、『製造』(同80.0%、2,439社)が8割以上となったほか、『小売』(同79.3%、363社)も高かった。また、規模別では、『大企業』(同80.4%、2,036社)が8割超、『中小企業』(同77.1%、6,332社)や『小規模企業』(同74.2%、1,736社)でも7割を超えており、規模にかかわらず影響を受ける企業は多い。とりわけ、企業体力が比較的弱い規模の小さい企業への影響が懸念される。

東日本大震災による影響、企業の約6割が需要減に

東日本大震災による自社への影響についてその内容を尋ねたところ、生産、販売、サービス、取引など企業活動全般について「需要が減少(見込み含む)」と回答した企業が1万747社中3,867社、構成比36.0%となった。「需要がやや減少(見込み含む)」(同21.6%、2,322社)と合わせると、計6,189社(同57.6%)と約6割の企業で需要が減少すると捉えている。

業界別にみると、『小売』が同66.8%(306社)で最も高く、さらに『農・林・水産』(同63.9%、23社)や『サービス』(同62.4%、942社)、『不動産』(同61.8%、168社)、『卸売』(同60.8%、2,048社)で需要の減少を考える企業が6割を超えた。


他方、需要が増加すると回答した企業は同19.9%(2,140社)となった(「需要がやや増加(見込み含む)」(14.9%、1,599社)と「需要が増加(見込み含む)」(同5.0%、541社)の合計)。特に、『運輸・倉庫』(同26.6%、107社)や『建設』(同25.6%、382社)、『製造』(同23.1%、705社)などが高い。復興期における建設関連や物資輸送、代替生産などによる需要を考えている様子がうかがえる。

東日本大震災の影響で約6割の企業が需要の減少に直面する。一方、震災からの復興時に需要が増加するという企業も5社に1社ある。東日本大震災で多くの企業が需要減少に直面することの影響は避けられないが、増加が見込まれる分野で日本経済を下支えする構造になることが示唆される。

復興支援への取り組み状況、企業の約7割が実施または検討中

被災地や被災者への募金、飲食料品や衣類、医薬品など物的支援、被災地との取引活動など、復興を支援する取り組みに関する対応状況について尋ねたところ、「支援を行っている、もしくは行う見込みである」と回答した企業が1万747社中5,387社、構成比50.1%となった。半数以上の企業がすでに支援活動を実施しているか実施する見込みである。また、「支援を検討している」(同18.8%、2,025社)と合わせると69.0%で約7割の企業がすでに実施または検討している。さらに、「支援したいが具体的方法が分からない」(同8.9%、959社)と合わせると、8割近くの企業が何らかの復興支援に取り組みたいと考えている。


「支援を行っている、もしくは行う見込みである」を地域別でみると、『中国』(同61.5%、421社)や『北陸』(同58.9%、325社)、『九州』(同57.6%、491社)など西日本で高いものの、被災地域への支援は全国的に行われている。また、規模別にみると、「支援を行っている、もしくは行う見込みである」では『大企業』が同63.1%(1,598社)となっており、大企業の6割以上がすでに具体的な支援活動を行っている。また、「支援したいが具体的方法が分からない」では、『中小企業』(同10.3%、842社)や『小規模企業』(同14.0%、327社)で高くなっており、支援の気持ちを持ちながらも、具体的な方法が見つからずにいる企業も多い。

被災地、被災者に対して非常に多くの企業が復興支援に取り組みたいと考えている。また、「支援は難しい」というなかでは、支援への意思があっても震災や計画停電などで自社にも損害が生じ、企業としては難しいが個人的に支援を行うという声も多かった。復興支援は広がりをみせている。

日本の復興に必要なこと、「エネルギーの安定供給」「インフラ整備」が7割超

今後、日本が復興していくために何が必要だと思うか尋ねたところ、「電気、ガソリン等エネルギーの安定供給」と回答した企業は1万747社中8,148社、構成比75.8%(複数回答、以下同)となった。また、「インフラの整備(交通、通信等を含む)」が同71.4%(7,671社)となっており、生活や経済活動のベースとなる社会基盤に関する項目を挙げる企業が多かった。

企業からは「このような未曾有の災害に対し、日本国を挙げて復興にあたらなければならない」(建設、埼玉県)といった、日本全体で災害に立ち向かわなければならないという声が非常に多く挙げられた。

今回の大震災によって多くの尊い人命や財産が失われたうえ、避難者も多数にのぼり、日常生活を取り戻すにはあまりにも大きな被害が生じている。全国各地で個人や企業、団体からさまざまな支援が行われている一方、過度な自粛ムードは復興を遅らせる要因となりうる。政府による支援策や復興策の早期実施はもとより、被災者や被災企業を思いつつも前向きに経済活動を継続することが重要である。「日本が一丸となり、希望を持ち、日本・日本国民のため、元気に行動する」(繊維・繊維製品・服飾品製造、宮城県)という企業があるかぎり、日本社会は今回の大震災から必ず立ち直りを果たすであろう。

詳細は本文(PDF 335KB)をご覧ください。

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上記の調査レポートはTDBのインターネット調査によるものです

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お問い合わせ先

株式会社帝国データバンク 産業調査部 情報企画課

TEL:03-5775-3163

e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

景気動向調査:http://www.tdb-di.com/

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