ビジネス講座

与信管理運用の基礎第14回:既存取引先判断(1)

与信管理の対象とは?

既存取引先の管理に最も必要なのは、全ての取引先に目を配るということです。もちろんスポット取引で、売掛金や受取手形などの売上債権が残っていない取引先は除きます。ただし、継続的に取引する先は、どんな取引先でも全て対象です。
すべての取引先の与信管理は、人員的にも、コスト的にもとても網羅することはできないと思っていないでしょうか?
今まで説明してきたようにすべての取引先に対して、同じように目を配り、同じように情報収集するというのは、現実的ではありません。取引金額も大きな金額から小さい金額まで、取引先によって違います。そして、企業がどれくらい倒産しやすいのか、倒産しにくいのかも、取引先によって全然違います。
大口の取引先は詳しく常に情報が入ってくるようにします。小口で安全な取引先は基本的な情報を確認するだけにし、小口で危ない取引先は信用状態をウォッチします。
このように、取引先の状況に合わせて管理レベルを調整して、常に取引先全体に目を配る形が、与信管理の基本となります。
取引先全てに目を配って管理することを「全体管理」と言い、大口取引先や要注意取引先をしっかり管理することを「重点管理」と言います。与信管理では、このバランスが大切になります。

最初に行う基礎的な情報収集

「全体管理」と「重点管理」のバランスを考えるためにも、与信管理を始める時に最初に必要な作業があります。
現在取引している企業の基礎的な情報収集です。これにより、与信管理をどのような形で行うかを考える材料になり、「全体管理」「重点管理」のバランスや、与信管理を始めるに当たっての注意すべき企業群が分かります。
取引先に関する情報収集においては、1社1社詳細に調査して確認することができればいいのですが、与信管理を始めるに当たって知識も経験も不足し、かつ多くの取引先がある場合にはそういう訳にもいきません。
営業担当者がチェックシートによって取引先をチェックすることも有効ですが、与信管理を始めるタイミングでは、営業担当者に与信管理の視点によるチェックを教えるだけでも、大変です。
与信管理をスタートさせるタイミングでは、外部の客観的な情報が有効になります。しかも、ごく簡単な情報の方が分かりやすく始められ、始めた後も取引先を管理するための基盤データとなるのです。そこで、基礎的な情報として、多くの取引先を網羅している調査会社の企業概要情報を使います。
これは、商号、住所などはもちろんのこと、売上、利益などの業績や、代表者も分かります。そして、その会社の総合評価としての点数も分かります。これは、取引先を判断する時の1次フィルターとしても使えるので、与信管理の初心者にとってはありがたい内容です。


帝国データバンクの企業概要情報の主な項目【商品名:COSMOS2】

他に、以下のような情報もセットになっています。

COSMOS2について知りたい方はこちらへ

取引先が多い場合

取引先数が多い場合には取引先全てを指定して、企業概要のデータをまとめて頼みましょう(まとめて頼んだ方が1社当たり安くなります)。データはオンラインサービスのCOSMOSNETで一括ダウンロードもできるので自由に加工して使えます。

そこで、企業概要データと自社の取引状況データをもとに、以下のように分析してみましょう。

  1. 1 取引先の売上高で分布グラフを作って、自社の取引先は大きな会社が多いのか、小さい会社が多いのか、全体を見てみましょう。
  2. 2 取引先の評点の分布グラフを作って、点数が高い企業が多いのか、低い企業が多いのか、全体を見てみましょう。
  3. 3 取引先の売上高と評点による分布グラフ(縦軸:評点、横軸:売上高)を作って、取引先はどのような企業が多いのか、全体を見てみましょう。
  4. 4 自社との取引金額で分布グラフを作って、大口取引先が多いのか、小口取引先が多いのか、全体を見てみましょう。

(グラフの例)

  1. 5 自社との取引金額の情報と組み合わせて、縦軸:評点、横軸:取引高の分布グラフを作って、自社のポートフォリオを見てみましょう。

(グラフの例)

この他、企業概要データには色々な項目がありますから、グループ分けをしたり、取引高などと合わせて分布グラフを作ったりして、さまざまな分析ができます。
このように分析していくと、取引先の会社の規模、取引高、客観的な総合評価などのバランスはどうなっているか分かります。これにより、大口取引先や点数が低い取引先等の重点管理が必要な取引先グループと、全体管理として広く浅く見て行く取引先グループの区別がついてくるはずです。
これが、初めて与信管理をする場合のスタートになります。

※すぐにでも全体の状況だけ知りたいというお客さまのために、5.は、「ポートフォリオ分析サービス」という名前で商品として販売しています。

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