ビジネス講座

企業間ネットワークのデジタルアース上への可視化



データビジュアライゼーションは、データから導き出される関係性を可視化することで、数万行にも及ぶデータの概要を直感的に把握できるようにする手法のひとつです。今回、首都大学東京との共同プロジェクトで、莫大な数の企業による複雑に入り組む取引で構築された企業間取引ネットワークを3次元のデジタルアース上に可視化する手法を開発しました。このデータビジュアライゼーションによりユーザーはデータを分析しなくても取引構造の地理的特徴を把握することが可能になります。

2次元ビジュアライゼーションの限界と新たな手法

企業間の取引ネットワークは、企業をノード、取引をエッジとしたネットワークとして捉えることができます。


ノードとエッジ


上の図のようなシンプルな取引関係であれば、「●」と「―」で図を書くだけで容易にその関係性を理解することができますが、実際の企業間取引では、登場するノード(企業)数が莫大で、エッジ(取引)が複雑に入り組んでいるため、単純にノードとエッジをつなぎあわせて表現するだけでは、その情報が何を意味しているか把握するのが困難です。そこで、企業間の取引情報を3次元に表現できるような出力形式に変換し、そのデータを3次元にプロットするシステムを構築し、さらに3次元での視認性を高める表現方法を加えることで、2次元では捉えきれなかった取引構造の新たなビジュアライゼーション手法を確立しました。

このプロジェクトで開発した3次元につながりを表現するビジュアライゼーション手法により、複雑に入り組むネットワーク構造を、階層ごとに区別して把握することが可能になります。

3次元ビジュアライゼーションの事例

下の3D地図は、帝国データバンクが所有する企業間の取引データを元に、自動車完成車メーカーを3D空間の高い位置にプロットし、そこからみた取引の階層(一次下請け、二次下請けなど)ごとに、高度を変えてノード(企業)をプロットして、自動車関連産業のサプライチェーンを表したものです。ノードを半透明のアイコンで表し、企業の密集度合をアイコンの重なりによる濃淡で表現することで、地域ごとの産業の集積をひと目で把握できます。また同じ地域内での取引と、離れた地域間での取引を、異なるエッジの色で表現することで、自地域内での取引の活性度合いを測ることができます。


MultiLayerVisualization

※本ビジュアライゼーションに用いたデータは、研究開発用に作成したサンプルデータです。


自動車産業が集積する東海地方や大都市近辺では色が濃くなっている(=取引が密集している)一方、四国地方や九州南部では色が薄く、一次取引、二次取引ともに活発でないことが読み取れます。このように、データビジュアライゼーションにより企業間取引ネットワークと地理情報を同時に表現することで、地域ごとの取引状況を視覚的に捉えることができるようになり、その特徴の把握が容易になります。

首都大学東京 渡邉英徳研究室
データソリューション企画部 先端データ分析サービス課 有本 昂平



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