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実践マーケティング講座

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〜経営に効くマーケティング 〜
第2回:環境分析−SWOT分析

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戦略を立てる前に、まず自社を知る

何の計画なしに、いきなりマーケティングに取り組む方はいないと思います。いったい何を目標にすべきなのか、何から始めたらいいのか、これらのことを決める前に、まず、自社の現状をきちんと掴んだうえで、目標を設定し、マーケティング戦略を立てなければなりません。
しかし、「現状把握?いまさらやらなくても十分わかっているよ。そんなことに時間を費やすのは無駄。それよりも、戦略や戦術を立てることに時間をかける方が効率的だ」と思われるかもしれません。
とはいっても、経営環境がめまぐるしく変わるいま、自社の現状を、内外から多面的・客観的・的確に把握できていると言えるでしょうか。なんとなくわかっている、という程度で終わっているのではないでしょうか。

マーケティングの手順

SWOT分析ってなんだ?

SWOT(スワット)?映画やテレビに出てくるSWAT(特別機動隊)なら知っているけれど・・・。SWOTとは、一度やってみれば誰にでもできる便利な分析手法のことです。  これは、環境分析の手法のひとつですが、マーケティングだけでなく、営業など、経営に関するあらゆる場面で使うことができる便利な道具です。自社の分析と自社を取り囲む環境を分析するときの4つの切り口、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat (脅威)の頭文字を順に並べたのがSWOT(スウォット)なのです。

SWOT分析で自社の環境を客観的に掴む

表1のようなSWOT分析用マトリクス表を用意してください。ここでは、地元特産の農産物を利用した健康飲料の発売を考えている食品メーカーの事例を挙げています。以下の記入方法の参考にしてください。

まず、自社の強みと弱みを整理してみます。自社が他社より強いものは何なのか、逆に自社が他社より弱いものは何なのか、マトリクス表の(1)、(2)の部分に書き込んでみましょう。はじめは思いつくまま書き込み、あとで重複するものなどを整理してください。
次に、自社を取り巻く経営環境において、ビジネスチャンス(=機会)になる環境や条件は何であるか、逆にビジネスに悪影響(=脅威)となる環境や条件は何なのか、マトリクス表の(3)、(4)の部分にまとめてみましょう。機会と脅威については、頭のなかに浮かぶものを書き出すだけでなく、関連する外部情報なども収集して、今後予測されることも漏らさず書き出すことが重要です。
特に、進展スピードの速い技術面、環境・安全・規制などの変化については、必ず押さえておきたいものです。


表1 SWOT分析用マトリクス表

※地元特産の農産品を利用した健康飲料の発売を考えている食品メーカーのケース

外部環境分析

(3)機会(Opportunity)

(4)脅威(Threat)

  • 健康志向の高まりで健康食品の消費が伸びている
  • 新しい市場の創造、開拓で先行者利益を得られる
  • コンビニやスーパーなどの量販店では、売れ筋の数ブランドしか扱わない
  • 大手メーカーも、この分野に力を入れている




(1)強み(Strength)

積極的攻勢

差別化戦略

  • 商品開発力がある
  • 代理店、特約店ルートがしっかりしている地元農家から、無農薬栽培の原料を安定的に調達できる
  • 社長の人的ネットワークが広い
  • 財務内容が健全

(自社の強みで取り込める事業機会の創出)


  • 商品開発力を生かし、飲料以外の製品を開発
  • 広い人的ネットワークを利用し様々な販売チャネルの開拓とPR活動

(自社の強みで脅威を回避または事業機会の創出)


  • 無農薬を前面に押し出したPR戦略
  • インターネットによる直販などの新しい販売チャネルの開拓

(2)弱み(Weakness)

段階的施策

専守防衛または撤退

  • 生産コストが高い
  • 代理店、特約店まかせの営業で、販売情報を把握できていない
  • 知名度が低い

(自社の弱みで事業機会を取りこぼさないための対策)


  • 量販店ルートでの売り上げを伸ばすための営業力強化
  • 生産の外部委託

(自社の弱みと脅威で最悪の事態を招かない対策)


  • OEM
  • 他社との提携
  • 株式の上場
  • 地元土産物店、ホテル・旅館だけで販売

自社にとって最適・最強の戦略を立てる

整理した自社の「強み」「弱み」、自社を取り巻く環境の「機会」「脅威」の4つを組み合わせて分析し、自社が将来、どのような方向に進むかの明確なビジョンを策定し、継続的に発展するための最適かつ最強の戦略を立案しましょう。
つまり、自社の強みで、取り込める事業機会は何か、また、脅威を回避する戦略は何か。一方、自社の弱みで事業機会を取りこぼさないための対策は何か、ということを考えてください。

【1】「他社より強い分野で、環境を生かし、自社が最強になり、新たなビジネスチャンスを掴むためには、何をすればよいか」、つまり、"ある分野でトップになる"、これが強い会社の条件です。
また、【2】「自社の弱点に加え、最悪の環境が重なった場合、最悪の状態に陥らないためには、何をすればよいか」、つまり、"リスクマネジメント"も昨今の経営においては重要です。この【1】と【2】を明確にし、会社全体(あるいは部署内)で共通認識をしておくことが大切です。

SWOT分析を営業で利用する場合は、「売れる理由」(強み)をはっきりさせた後、この強みに特化して経営資源を集中させることで、効率よく売り上げを伸ばせます。あるいは「売れない商品・サービス」(弱み)をやめる決断を下す、といった使い方もできるのです。
ただし、SWOT分析の4つの切り口に明確な基準はありません。たとえば、ふたりの靴のセールスマンが、未開拓地を調査した結果、「まだ誰も靴を履いてないから売れる」と「靴を履く習慣がないから売れない」とに結論が分かれたという話があります。このように、人によって正反対の評価がでることも頭にいれて、SWOT分析をうまく活用しましょう。

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