倒産集計

2013年 5月報

倒産件数は950件、今年最多を記録
負債総額は1544億4000万円、2ヵ月ぶりの前年同月比減少

倒産件数 950件
前年同月比 ▲6.2%
前年同月 1013件
前月比 +4.9%
前月 906件
負債総額 1544億4000万円
前年同月比 ▲39.2%
前年同月 2540億8900万円
前月比 ▲77.2%
前月 6779億7300万円

調査結果

■件数

ポイント2カ月ぶりの前年同月比減少も、今年最多

倒産件数は950件(前月906件、前年同月1013件)で、前月比は4.9%の増加となったものの、前年同月比は6.2%の減少となった。2ヵ月ぶりに前年同月を下回るも、今年最多を記録した。

要因・背景
  • 1.建設業は8ヵ月連続、サービス業は7ヵ月連続など減少目立つも、運輸・通信業は唯一2ヵ月連続で2ケタの増加

  • 2.9地域中4地域で前年同月を下回り、とくに関東は前年同月比14.8%減と減少目立つ

    ■負債総額

    ポイント2カ月ぶりの前年同月比減少

    負債総額は1544億4000万円(前月6779億7300万円、前年同月2540億8900万円)で、前月比は77.2%、前年同月比も39.2%の大幅減少となり、2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。

    要因・背景
  • 1.負債トップは、パチンコホール・ボウリング場など経営の東海産業(有)(栃木県)で86億3700万円

  • 2.負債100億円以上の大型倒産は発生せず、同50億円以上の倒産も3件にとどまる

    ■業種別

    ポイント7業種中5業種で前年同月比減少

    業種別に見ると、7業種中5業種で前年同月を下回った。なかでも、小売業(165件、前年同月比19.1%減)、製造業(117件、同17.0%減)、不動産業(28件、同15.2%減)の3業種は2ケタの大幅減少となった。一方、運輸・通信業(49件、同19.5%増)、卸売業(155件、同9.9%増)の2業種は前年同月を上回った。

    要因・背景
  • 1.小売業…飲食料品小売(36件、前年同月比28.6%増)が増加も、自動車小売(8件、同60.0%減)や衣料品等小売(21件、同30.0%減)が大幅減少

  • 2.製造業…加工機械などの機械器具製造(11件、前年同月比35.3%減)で減少が目立つ

    ■主因別

    ポイント   「不況型倒産」の構成比83.5%

    主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は793件(前月734件、前年同月848件)となった。構成比は83.5%(前月81.0%、前年同月83.7%)で、前月を2.5ポイント上回ったものの、前年同月を0.2ポイント下回った。

    要因・背景
  • 1.「金融円滑化法利用後倒産」は60件判明、2ヵ月連続で過去最多を更新

  • 2.「円高関連倒産」は7件判明、円高局面での負担増が尾を引くものの減少傾向が続いている

    倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

    ■規模別

    ポイント負債5000万円未満の構成比54.1%、7ヵ月連続で過半数を占める

    負債額別に見ると、負債5000万円未満の倒産は514件で、前年同月比5.7%の減少となったものの、構成比は54.1%と7ヵ月連続で過半数を占めた。一方、負債100億円以上の倒産は発生しなかった。資本金別に見ると、個人経営と資本金1000万円未満の合計は536件、構成比は56.4%を占めた。

    要因・背景
  • 1.負債5000万円未満の業種別では、建設業(117件)が22.8%を占め全業種中トップ

  • 2.負債100億円以上の大型倒産は発生せず、同50億円以上も3件にとどまる

    ■地域別

    ポイント9地域中4地域で前年同月比減少

    地域別に見ると、9地域中4地域で前年同月を下回った。なかでも、関東(339件、前年同月比14.8%減)、中国(41件、同12.8%減)の2地域は2ケタの大幅減少となった。一方、東北(35件、同20.7%増)や中部(155件、同10.7%増)など4地域は前年同月を上回った。北海道(27件)は前年同月と同数となった。

    要因・背景
  • 1.関東は、東京都が前年同月比14.5%の大幅減少となったほか、北関東で減少が目立つ

  • 2.東北は、前年同月が復興需要で大幅に減少していた反動もあり、建設業が大幅増加

    ■上場企業倒産

    上場企業の倒産は発生しなかった。2013年の累計は(株)東京カソード研究所(3月、民事再生法)の1件にとどまっており、上場企業の倒産は沈静化が続いている。

    ■大型倒産

    5月の負債額トップは、東海産業(有)(栃木県、破産)の86億3700万円。以下、(株)ユナイテッド・コーポレーション(東京都、破産)の66億4600万円、山陽板紙工業(株)(岡山県、民事再生法)の50億7500万円と続く。 大型倒産は、金融機関や再生支援機関などの支援効果などを受け低水準が続く。

    ■景気動向指数(景気DI)

    景気DIは43.0、前月比0.6ポイント増と6カ月連続で改善

    2013年5月の景気動向指数(景気DI:0〜100、50が判断の分かれ目)は、前月比0.6ポイント増の43.0となり、6カ月連続で改善した。 株式市場で日経平均株価が乱高下する場面もあったものの、月間を通してみれば円安・株高の傾向が続いた。さらに、2012年度補正予算の執行本格化やゴールデンウイーク中の天候に恵まれ国内旅行が増加したこともあり、『建設』『運輸・倉庫』『小売』など10業界中8業界、51業種中29業種が改善した。

    大企業と中小企業の規模間格差拡大をともないつつも、緩やかな上昇が持続

    「大企業」「中小企業」「小規模企業」は6ヵ月連続で全規模が改善したが、改善幅は大企業ほど大きく、「大企業」と「中小企業」の規模間格差は調査開始以来で最大の格差となった。景気はアベノミクスにより上昇を続けているが、「中小企業にまでアベノミクス効果は現れていない」など、中小企業には十分に浸透していないという声も多い。また、『運輸・倉庫』では、公共投資や輸出、通信販売の増加により物流需要が拡大したほか、好調だったゴールデンウイーク中の国内旅行により旅客運送が改善したこともあり、2007年10月以来の水準に回復した。 国内景気は、「大企業」と「中小企業」の規模間格差の拡大をともないつつ、緩やかな上昇が持続している。

    今後の見通し

    ■件数、負債総額ともに2カ月ぶりの前年同月比減少

    2013年5月の企業倒産は950件で、前月(906件)を4.9%上回り2ヵ月連続で前月比増加を記録するとともに、2013年で最多となった。前年同月(1013件)との比較では6.2%下回っているが、これは、前年同月の企業倒産が、円高や原材料高を背景として製造業の倒産が多発したことなどで高水準であったためだ。一方で負債総額は、1544億4000万円となり、前月(6779億7300万円)比77.2%減、前年同月(2540億8900万円)比39.2%減と、ともに大幅に減少した。負債10億円以上の大型倒産は30件発生したが、同100億円以上の倒産は発生せず、同50億円以上の倒産もパチンコホール経営の東海産業(負債86億3700万円、栃木県、破産)など3社にとどまったことで、負債総額が抑えられた。

    ■円安にともなう輸入コスト増加、燃料費高騰を懸念

    2012年5月には、1ドル70円台という歴史的円高水準を記録していた為替相場だが、現在は、2013年5月に1ドル100円を突破するという円安基調で推移している。この結果、自動車産業など輸出比率の高い企業の2013年3月期決算は、軒並み円安効果で好決算となった。しかし、一方で、急激な円安は輸入コスト増加に繋がる。すでに各種食品で今後の値上げが決まっているなど、「個人消費を冷え込ませる要因になりかねない」と小売業の警戒感は強い。とりわけ、今回の円安に対し一層の危機感を抱いているのは、円安に伴う燃油価格の変動により収益性に大きな影響が出るトラック運送業者や漁業関係者であろう。全日本トラック協会と都道府県トラック協会は、5月23日に「燃料価格高騰経営危機突破全国総決起大会」を開催したほか、全国漁業協同組合連合会は、5月29日に「我が国漁業の存続を求める全国漁業代表者集会」を開催し政府へ支援を求めた。しかし、こうした要請を行っている間にも倒産は発生する。1月から5月の運輸業者の倒産は173件と前年同期を上回る水準で推移しているほか、北海道の沖合底引き網業者が、燃料費高騰と魚価安傾向の影響から5月末で事業継続を断念するなど、円安に起因する倒産も発生している。大手企業が円安の恩恵を受ける一方、中小企業の中には円安により不利益を被り倒産する企業があることは注視していかなければならない。

    ■「金融円滑化法利用後倒産」は60件判明、2カ月連続で過去最多を更新

    5月の「金融円滑化法利用後倒産」は60件判明。前月比13.2%の増加となるとともに、前年同月比では150.0%(36件)の大幅増加を記録し、前月に続き、2ヵ月連続で集計開始以降最多を記録した。また、前年同月との比較可能な2010年12月以降すべての月で前年同月を上回り、累計では841件に達した。金融庁等の方針により、中小企業金融円滑化法の期限(2013年3月末)到来後も、金融機関は借手企業に対し返済猶予等の金融支援を継続しているとはいえ、5月には返済猶予を受けていた企業が4月以降に借り換えを断られ資金繰りに行き詰まった例も確認されている。多くの地域金融機関では与信額等を基準とし重点支援先を決めて支援を実施しているなかで、重点支援先ではない企業への支援には温度差があるようだ。  5月の企業倒産の過半数は個人経営と資本金1000万円未満ということからもわかるように、現在の企業倒産をかさ上げしているのは、中小零細企業の倒産である。5月の倒産件数は前年同月比減少となったものの、前月比では2ヵ月連続で増加している。約40万社とみられる中小企業金融円滑化法に基づく返済猶予等を受けていた企業の倒産リスクは依然として高い。輸入価格上昇、原燃料高、労務費高騰など不安要素が多く存在するなか、今後、これらの企業が事業継続を断念する可能性は否定できず、倒産増加懸念は払拭されていない。

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