倒産集計

2013年 1月報

倒産件数は854件、3ヵ月連続の前年同月比減少
負債総額は2294億7600万円、2ヵ月連続の前年同月比減少

倒産件数 854件
前年同月比 ▲10.2%
前年同月 951件
前月比 +3.6%
前月 824件
負債総額 2294億7600万円
前年同月比 ▲42.4%
前年同月 3983億7900万円
前月比 +14.8%
前月 1999億2500万円

調査結果

■件数

ポイント3カ月連続の前年同月比減少

倒産件数は854件(前月824件、前年同月951件)で、前月比は3.6%の増加となったものの、前年同月比は10.2%の減少となり、3カ月連続で前年同月を下回った。前年同月比は2012年8月の12.2%減以来、5カ月ぶりの2ケタ減となった。

要因・背景

1.復興需要や設備投資の増加などで、建設業が2カ月連続の200件割れ

2.全9地域中8地域で前年同月を下回り、うち5地域は2ケタの大幅減少

■負債総額

ポイント2カ月連続の前年同月比減少

負債総額は2294億7600万円(前月1999億2500万円、前年同月3983億7900万円)で、前月比は14.8%の増加となったものの、前年同月比は42.4%の大幅減少となり、2カ月連続で前年同月を下回った。

要因・背景
  • 1.前年同月に発生した(株)太平洋クラブなどの大型倒産の影響により大幅減少
  • 2.大型倒産の沈静化が続き、負債50億円以上の倒産は13カ月連続で1ケタにとどまる
  • ■業種別

    ポイント7業種中5業種で前年同月比減少

    業種別に見ると、7業種中5業種で前年同月を下回った。なかでも、製造業(103件、前年同月比23.7%減)、サービス業(158件、同18.6%減)、不動産業(32件、同17.9%減)、卸売業(135件、同11.8%減)の4業種は2ケタの大幅減となった。一方、運輸・通信業(35件、同29.6%増)、小売業(173件、同6.1%増)の2業種は前年同月を上回った。

    要因・背景

    ■主因別

    ポイント 「不況型倒産」の構成比80.3%

    主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は686件(前月695件、前年同月790件)となった。構成比は80.3%(前月84.3%、前年同月83.1%)で、前月を4.0ポイント、前年同月も2.8ポイント下回った。

    要因・背景

    倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

    ■規模別

    ポイント負債5000万円未満の構成比52.8%、3ヵ月連続で過半数を占める

    負債額別に見ると、負債5000万円未満の倒産は451件で、前年同月比6.4%の減少となったものの、構成比は52.8%と3ヵ月連続で過半数を占めた。一方、負債100億円以上の倒産は2件にとどまった。資本金別に見ると、個人経営と資本金1000万円未満の合計は487件、構成比は57.0%を占めた。

    要因・背景

    ■地域別

    ポイント9地域中8地域で前年同月比減少

    地域別に見ると、関東(357件、前年同月比8.0%減)、近畿(211件、同9.1%減)を含む8地域で前年同月を下回った。減少率を見ると、四国(13件、同27.8%減)や東北(21件、同25.0%減)など5地域が2ケタの減少となった。唯一減少とならなかった北陸(35件)は、前年同月と同数となった。

    要因・背景

    ■上場企業倒産

    上場企業の倒産は2ヵ月連続で発生しなかった。2012年度の累計は5件となり、すでに前年度の4件を上回っているものの、上場企業の倒産は沈静化が続いている。

    ■大型倒産

    1月の負債額上位を見ると、(株)沖縄うみの園(沖縄県、民事再生法、負債179億円)や、小野ホールディングス(株)(福井県、会社更生法、負債67億1100万円)、(株)東京ストアー(石川県、民事再生法、負債55億1900万円)、など再生型の倒産も目立った。 大型倒産は、返済猶予や再生支援機関の支援効果などを受け低水準が続く。

    ■景気動向指数(景気DI)

    景気DIは38.0、前月比2.3ポイント増と2カ月連続で改善

    2013年1月の景気動向指数(景気DI:0〜100、50が判断の分かれ目)は、前月比2.3ポイント増の38.0となり、2カ月連続で改善した。震災直後の2011年7月(同2.3ポイント増)以来の大きな改善幅となった。新政権による大型補正予算や政府と日銀との政策協定など、今後の景気対策や金融緩和への期待が高まり円安や株価上昇が進んだことに加えて、復興需要や季節商材の好調などから実需も伸びたことで『建設』や『不動産』『製造』など全10業界、51業種中47業種が改善した。

    経済政策への期待が高まるなかで回復の兆し

    復興需要や企業の設備投資の増加、公共投資の期待先取りなどで『建設』が2ヵ月ぶりの改善となり、6年3ヵ月ぶりに40を上回った。特に『南関東』『東海』『近畿』の三大都市圏の建設がそろって改善した。さらに、円安の進展で輸出に回復傾向がみられた「機械製造」や「輸送用機械・器具製造」も改善するなど、『製造』は全12業種が上向いた。地域別では、自動車関連や建材・家具製造といった『製造』などが改善した『東海』のほか、復興需要が続く『東北』も10業界中9業界が改善するなど、2012年3月以来、10ヵ月ぶりに全10地域がそろって改善した。日中関係の改善に向けた動きが進むなかで「中国進出」企業の景況感(37.5、同2.0ポイント増)も2ヵ月連続で改善した。

    総じて、国内景気は経済政策への期待が高まるなか、回復の兆しが現れている。

    今後の見通し

    ■件数は3カ月連続、負債総額は2ヵ月連続の前年同月比減少

    2013年1月の企業倒産は854件で、前月(824件)を3.6%上回ったものの、前年同月(951件)を10.2%下回り、3ヵ月連続で前年同月比減少となった。業種別では7業種中5業種で、地域別では9地域中8地域が前年同月比減少を記録している。負債総額も2294億7600万円となり、前月(1999億2500万円)を14.8%上回ったものの、前年同月(3983億7900万円)を大幅に下回った(42.4%減)。負債10億円以上の大型倒産が35件で、前年同月(47件)を大きく下回ったことで負債総額が抑えられた。

    ■急激な円高是正、ガソリン・軽油価格は高騰

    1ドル=70円台の円高水準から90円台に切り返すまで、わずか3ヵ月。2月6日には一時94円台にまで円安が進んだ。安倍総理が打ち出している経済政策を受けた円高是正が続いている。近年円高基調が続き業績低迷を余儀なくされていた輸出産業からは歓迎する声が多く、TDB景気動向調査(全国、1月)でも、『製造』の景気DIは2ヵ月連続で改善した。

    しかし、円安傾向になったとはいえ「円高関連倒産」が減少するわけではない。1月の「円高関連倒産」は12件(前年同月比9.0%増)。うち4件が為替デリバティブ取引の失敗による倒産である。デリバティブ契約に関し金融ADRを申し立てた後に民事再生法の適用を申請した事例もあった。リーマン・ショック後から現在に至るまでの円高局面のなか、為替デリバティブ損失等で財務を毀損している企業も多く、「円高関連倒産」は今後も続発するとみられる。

    一方で、円安進行が直ちにマイナス要素となっている業種も多い。最も影響が懸念されているのが運輸業だ。近年、同業他社との競合は一層激しさを増し、慢性的な赤字体質に陥っている運輸業者も多い。2012年の倒産は435件発生し、前年比4.3%増加となった。1月も35件発生しており、前年同月比34.6%の大幅増加を記録している。こうしたなか、トラックの主な燃料となる軽油価格は9週間連続値上がりを記録(資源エネルギー庁調べ、2月6日)。需要増加の思惑から原油が買われていることに加え、円安が輸入価格の誘因であるためだ。政策主導により円安がさらに進む公算は大きい。そうなれば、運輸業者の燃料費負担は増える一方であり、今後も運輸業者の倒産は増加基調を辿る可能性が高い。

    ■「金融円滑化法利用後倒産」、前年同月比15.6%増

    前年同月と比較可能になった2010年12月以降、すべての月で前年同月を上回っている「金融円滑化法利用後倒産」。1月も37件判明し、前年同月を15.6%上回った。これにより、1月までの累計倒産件数は653件にまで膨らんだ。2011年末に金融円滑化法の適用期限が明確化されて以降、「2013年3月末」が金融機関、借手企業ともに意識されて来たが、その日まであとわずかである。政府は、引き続きの経営再建支援を求めることに加えて、企業再生支援機構を地域経済活性化支援機構へ改組、機能拡充する方針だ。中小企業の再生計画策定や債権買い取りを実行する同機構に期待する声も多い。また、2月18日には電子記録債権「でんさい」のサービスがスタートする。「でんさい」は手形と類似する性質を有することに加え、分割して譲渡や割引ができることから、中小企業における資金調達の円滑化に寄与するとみられる。

    しかし、こういった施策が、各種業界の構造的問題などをはじめとする中小企業の課題を根本的に解決できるかは未知数である。帝国データバンクの企業財務データベースを分析すると、中小企業の財務内容は金融円滑化法施行前よりも悪化している。つまり、潜在的な倒産増加リスクは縮小していない。こうした状態が続けば、施策効果や先行きへの期待感が薄れるとともに、企業倒産の増加という事態を招くのは避けられないであろう。

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