レポート

海上アクセス株式会社

2012/02/16

TDB企業コード:530300816 兵庫県神戸市中央区 神戸空港―関西国際空港間高速船「ベイ・シャトル」運航の3セク 民事再生法の適用を申請 負債138億6100万円

「兵庫」 神戸空港と関西国際空港を結ぶ高速船「ベイ・シャトル」を運航する神戸市の第3セクター、海上アクセス(株)(資本金35億円、神戸市中央区神戸空港10、代表松崎昭氏ほか1名)は、2月16日に神戸地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は村上英樹弁護士(神戸市中央区中町通2-1-18、電話078-382-0065)。

 当社は、1988年(昭和63年)12月に、関西国際空港の開港に伴う神戸市のK-CAT計画や空港のアクセスターミナル計画の具体化によって、神戸旅客船協会加盟の運航会社6社の均等出資により設立。その後、事業会社へ移行し航空会社などの出資も得ていたが、バブル崩壊やインフラ整備に多額の資金が必要なことなどから、関空開港前の94年6月に神戸市が資本参加し筆頭株主となり、第3セクターとなった。

 同年9月の空港開港に合わせて開業した神戸ジェットシャトル「K-JET」は、関空の利用者数が予測を下回った影響で乗船実績は低迷。ジェットフォイル2隻の造船費用約57億円やランニングコストが経営を圧迫していた。このため、神戸市は当社に対して100億円近い無利子の長期貸付を行ってきたが、米国同時多発テロによる利用者の大幅減少などから2002年2月に運航を停止。順次、ジェットフォイルの売却など資産処分を進めたものの、2003年3月期末時点で約158億円の累積損失を抱え、約123億円の債務超過となっていた。

 その後、ポートアイランド2期進出企業の増加や2006年2月の神戸空港開港により2006年7月には空港隣接地で事業を再開し、双胴高速艇2隻で神戸空港と関西国際空港を約30分で結ぶ高速船「ベイ・シャトル」(1日16往復)を運航。2010年度には約39万人に達するなど利用客は年々増加し、2010年3月期、2011年3月期と経常黒字を計上していた。

 こうしたなか、神戸市が設置した「みなと総局外郭団体あり方検討委員会」は、2011年12月に意見書を提出。公益性が高い航路事業については、継続が望ましく、足かせとなっていた航路再開前の多額の債務について「現時点で整理すべき」と判断。民事再生手続きの中で100%減資をした後、神戸市および事業団の債権の資本化(DES)などを行う旨を提言、今回の措置となった。

 負債は2011年3月期末時点で約138億6100万円。

 なお、「ベイ・シャトル」の運行は今後も継続する。