レポート

エス・イー・エス株式会社

2009/05/07

TDB企業コード:988144280 東京都国立市 半導体洗浄装置製造 【続報】 破産手続き開始決定受ける 負債142億7300万円

企業コード:988144280

「東京」 1月16日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請していた、元ジャスダック上場のエス・イー・エス(株)(資本金72億4592万8731円、国立市東1-4-13、登記面=青梅市今井3-9-18、代表北島文雄氏、従業員430名)は、5月1日に破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は井窪保彦弁護士(中央区八重洲2-8-7、電話03-3273-2600)。

 当社は、1978年(昭和53年)11月に設立された半導体洗浄装置メーカー。半導体製造工程における半導体・液晶ガラス等の薬液処理装置の製造を手がけ、台湾、中国、韓国、アメリカに現地法人を設置して業容を拡大、91年5月には株式の店頭登録(現・ジャスダック)を果たし、2007年3月期の年売上高は約217億3500万円を計上していた。

 しかし、2007年10月以降、半導体メモリー価格の急落から顧客となる半導体メーカーが設備投資を抑制したことで受注が落ち込んでいたことに加え、大量受注先の納入期日が顧客側要請により大幅に遅れたことも重なり、2009年3月期中間期において連結営業損失に転落していた。このため、経営再建策を策定するとともに金融機関への支援要請や再生ファンドとの交渉を行っていたものの、2月末の決済資金調達のメドが立たず、1月16日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、その後上場廃止となっていた。

 その後、人員削減などの経費削減や経営体制や事業内容を見直すとともに、1月28日よりスポンサーの公募を行っていた。2次入札を経て、スポンサー候補企業より応札があったものの、予想を上回る経済情勢の悪化から同スポンサー候補の支援では裁判所、監督委員の納得する再生計画を策定することが困難となったため、3月27日に再生手続き廃止決定を受けていた。

 負債は2008年12月31日時点で約142億7300万円。

 なお、当社の太陽電池事業部門については、当社の破産手続開始決定を前提にワイエイシイ(株)(東証1部、昭島市)へ事業譲渡することが決定している。