景気・経済動向記事

2014年長野県「休廃業・解散」動向調査

長野県内の「休廃業・解散」件数は463件
〜 倒産の5倍以上、前年から減少するも高水準続く 〜

はじめに

「債務者が自主廃業を選択する場合の取引先対応等を含めた円滑な処理等への協力」(金融庁『監督指針』、2011年4月)、「2020年までに開業率が廃業率を定常的に上回る状態にする」(民主党野田政権下『日本再生戦略』、2012年7月)、「開業率が廃業率を上回る状態にし、米国・英国レベルの開・廃業率10%台を目指す」(自民党安倍政権下『日本再興戦略』、2013年6月)など、産業や地域の新陳代謝を促すため、廃業の必要性が近年繰り返し提言されてきた。

マクロ的にみれば、有用な経営資源を移転・集約させることは、地域経済の活性化につながる可能性を秘めている。しかし、一社一社に目を向けると、業績不振からの脱却が困難だとしても、少しでも長く事業を続けたいとの気持ちが強く働き、廃業や事業譲渡を選択する経営者は限られる。一方、定着する倒産減少の陰で、倒産処理ができないために休廃業としてカウントされるケースも増加している。

帝国データバンクでは、企業概要ファイル「COSMOS2」(全国約145万社・長野県約2万6000社収録)から削除されたデータを収録したファイル(「削除ファイル」)を用いて、長野県内で2014年に休業、廃業、解散に至った事業者(法人・個人含む)を集計。業種別や代表者の年代別、倒産件数との比較などといった切り口から分析した。

調査結果

  1. 1県内の「休廃業・解散」件数は463件、前年比減ながら高水準続く
    2014年(1月〜12月)に長野県内で集計された「休廃業・解散」件数は463件(「休廃業」317件、「解散」146件)。502件だった2013年からは7.8%減少したものの、9年連続で400件以上、6年連続で450件以上と高水準が続いている。
  2. 2業種別では「建設業」が139件で最多、「製造業」は増加
    「休廃業・解散」463件を業種別にみると、「建設業」が139件(構成比30.0%)で最多となった。また、前年から減少する業種が目立つ中で、「製造業」は7.4%増の73件と前年を上回っている。一方、社長の年代別にみると、「60歳以上」の区分の構成比が75.0%と全体の4分の3を占めた。
  3. 3「休廃業・解散」は倒産の5.1倍に達する
    2014年に県内で発生した倒産は91件だったが、「休廃業・解散」はその5.1倍発生していることになる。全国の2.6倍と比べても、「休廃業・解散」の高水準ぶりが目を引く。なお、県内で倒産が多発した2009年(200件)の「休廃業・解散」(486件)は倒産の2.4倍。「休廃業・解散」は、減少傾向が定着している倒産とは異なった動きを示している。

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