2011年上半期報 2011年(平成23年)1月〜6月 |
倒産件数は5846件、2年連続の前年同期比減少 負債総額は1兆6248億5800万円、 半期ベースで初の2兆円割れ、過去10年で最少 |
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| 倒産件数 | 5846件 | 負債総額 | 1兆6248億5800万円 |
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| 前年同期比 | 件数 | ▲2.4% | 2010年上半期 | 5989件 |
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| 負債 | ▲60.9% | 2010年上半期 | 4兆1546億8100万円 | |
| 前期比 | 件数 | +3.1% | 2010年下半期 | 5669件 |
| 負債 | ▲41.6% | 2010年下半期 | 2兆7819億2300万円 |


■件数
ポイント 2年連続の前年同期比減少
2011年上半期の倒産件数は5846件と、前年同期の5989件を2.4%下回り、2年連続の前年同期比減少となった。半期ベースでは、2009年上半期の7023件(5.5%増)以来、4期ぶりに前期を3.1%上回った。年四半期ベースでは、2010年第3四半期まで5期連続で前期を下回ったものの、2010年第4四半期以降は3期連続で前期を上回った。
要因・背景
1. 各種金融支援効果の一巡や震災なども影響し、第2四半期は前年同期比で増加に転じる
2. 大型倒産の減少続くも、負債5000万円未満の零細企業の倒産は高水準で推移
■負債総額
ポイント 半期ベースで初の2兆円割れ、過去10年で最少
2011年上半期の負債総額は1兆6248億5800万円と、半期ベースで初の2兆円割れとなり、過去10年で最少を記録した。年四半期ベースでは、2010年第4四半期以降は3期連続で前期、前年同期を下回り、2011年第2四半期に初めて7000億円を下回るなど負債の縮小傾向が続いた。
要因・背景
1. 負債額トップは、(株)林原(2月、岡山県)の1322億7100万円
2. 負債100億円以上の大型倒産は14件(前年同期23件)にとどまる
■業種別
ポイント 小売業を除く6業種で前年同期比減少
業種別に見ると、小売業を除く6業種で前年同期比減少となった。建設業(1535件、前年同期比1.0%減)が構成比26.3%を占めトップ。前年同期比減少率では製造業(8.1%減)、不動産業(4.8%減)、運輸・通信業(4.0%減)と続いた。一方、小売業(1040件)は唯一、前年同期比微増(0.1%増)となった。
要因・背景
1. 建設業…第1四半期は前年同期比7.5%減も、第2四半期は5.8%の増加に転じる
2. 製造業…金属製品(84件、前年同期比27.0%減)や工作機械などの一般機械(130件、同13.3%減)などで減少目立つ
■主因別
ポイント 「不況型倒産」構成比は83.9%、5期連続で80%台の高水準
主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は4903件。構成比は83.9%と、前期を0.3ポイント下回ったものの、前年同期は0.9ポイント上回り、5期連続80%台の高水準を記録した。
要因・背景
1. 販売不振(4680件)の構成比が80.1%を占め、過去10年で最高
2. 建設業の「不況型倒産」構成比が89.8%(前年同期比1.7ポイント減)で全業種中トップ
■規模別
ポイント 負債100億円以上の倒産が過去10年で最少
負債額別に見ると、負債5000万円未満の零細企業の倒産は2922件と、前年同期の2856件を2.3%上回り、負債額別で唯一の増加となった。一方、負債100億円以上の大型倒産は14件にとどまり、半期ベースでは過去10年で最少。資本金別で見ても、資本金1億円以上の倒産が110件と、前年同期の130件を15.4%下回るなど、大型倒産の減少が目立った。
要因・背景
1. 関東で負債100億円以上の大型倒産(5件、前年同期16件)が大幅減少
2. 負債5000万円未満の倒産、建設業(709件、前年同期672件)で増加目立つ
■地域別
9地域中5地域で前年同期比減少
地域別に見ると、東北(246件)、関東(2229件)、近畿(1403件)など5地域で前年同期を下回った。一方、北海道(188件)、北陸(187件)など4地域では前年同期を上回り、とくに中部(885件)は前年同期比17.5%増、半期ベースで過去10年で最多件数となった。
要因・背景
1. 東北は岩手(前年同期比28.2%減)、宮城(同23.9%減)、山形(同46.8%減)で減少
2. 中部は、愛知の建設業・製造業のほか、静岡や三重の製造業などでも増加が目立つ
■態様別
ポイント 破産が高水準で推移
態様別に見ると、破産は5423件(前年同期5552件)で前年同期比2.3%(129件)の減少、構成比は92.8%を占めた。会社更生法は4件(前年同期9件)にとどまり、前年同期比55.6%の大幅減少。民事再生法も250件(同262件)で前年同期比4.6%の減少となった。
要因・背景
1. 再建型手続きが困難な中小・零細企業による破産申請が高水準で推移
2. 会社更生法、民事再生法は、中堅・大企業の倒産減少が影響し、減少目立つ
■業歴別
ポイント 業歴30年以上の構成比30.9%
業歴別に見ると、業歴3年未満の倒産は177件(前年同期236件)発生し、構成比は3.0%(同3.9%)となり、前年同期比0.9ポイントの減少。一方、業歴30年以上の倒産は1806件(同1700件)発生、構成比は30.9%(同28.4%)となり、前年同期比2.5ポイント増で2年ぶりに30%を上回った。
要因・背景
1. 業歴3年未満の構成比、サービス業が28.8%で全業種中トップ
2. 業歴30年以上の構成比、建設業が26.3%で全業種中トップ
■上場企業倒産
2011年上半期の上場企業倒産は、ジャスダック上場の中小企業信用機構(株)(民事再生法、1月)と(株)セイクレスト(破産、5月)の2件にとどまり、前年同期の4件を下回った。
■大型倒産
2011年上半期の負債額トップは、(株)林原(会社更生法、2月)の1322億7100万円。負債1000億円以上の倒産はこの1件のみとなり、前年同期の4件を下回った。 負債100億円以上の大型倒産は14件にとどまり、半期ベースでは過去10年で最少となった。
■注目の倒産動向
円高関連倒産 24件判明、前年同期比20.0%の増加
2011年上半期に円高の影響を受けた倒産は、24件判明した。2010年上半期(20件)に比べ20.0%の増加となった。このうち、デリバティブ損失による倒産は11件(前年同期9件)と、構成比は45.8%とほぼ半数を占めた。震災後の3月17日には1ドル76円台まで急伸し、戦後最高値を更新するなど、高値水準が長期化しており、今後も関連倒産の発生が懸念される。
返済猶予(リスケ)後倒産 109件判明、前年同期比倍増
2011年上半期に返済猶予後に倒産に至ったケースは、109件判明し、2010年上半期(52件)に比べ2倍に急増。3月、4月には月ベースで過去最多の25件判明した。また、中小業金融円滑化法による返済猶予後に倒産に至ったケースは2010年7月以降散発し、2011年上半期は68件判明。本業不振の長期化により、返済再開後に倒産に至る企業の増加が懸念される。
今後の見通し
■件数は2年連続で前年同期比減少、負債は過去10年で最少
2011年上半期の倒産は5846件となり、前年同期(5989件)を下回り、上半期としては2年連続の減少となった。しかし、前期(5669件)を上回っているうえ、年四半期ベースで見ても、2010年第4四半期から3期連続で前期を上回っている。主な要因は政策効果の一巡と震災の影響が重なったためであり、ここにきて倒産は緩やかに増加基調にシフトしつつある。負債総額も1兆6248億5800万円と半期ベースで初の2兆円割れとなり、過去10年で最少となった。負債100億円以上の倒産が14件(前年同期23件)にとどまるなど大型倒産は沈静化が続いた。
■地域別では東北、業種別では建設、運輸・通信業の減少目立つ
地域別では、被災地の東北(246件)は前期、前年同期をそれぞれ下回った。月ベースでは過去1年間40〜50件台で推移しており、4月(27件)、5月(54件)、6月(41件)の数字を見ても、各種の金融支援・特例措置の効果もあって震災後に倒産は増加していない。業種別では、建設業、運輸・通信業の2業種が前期、前年同期を下回った。他方、小売業は業種別で唯一前年同期を上回ったうえ(0.1%増)、前期比12.2%の大幅増となった。買い換え需要が増加した家電小売など特需の効果が表れている分野を除き、先行き不安から消費回復は不安定な状況にあり、中小・零細企業を中心に今後の倒産増加が懸念される。
■直接被害の大きさに比べ、東北3県の震災倒産判明は少数
内閣府は6月24日、今回の地震や津波で損壊した道路や住宅などの直接的な被害額が16兆9000億円にのぼるとの推計を発表した。95年の阪神大震災時(約9兆6000億円)の約1.8倍におよぶ。推計には原発事故による周辺被害は含まれておらず、実際の被害額はさらに大きくなる見通し。帝国データバンクが保有する企業概要ファイル「COSMOS2」(139万社収録)によれば、岩手、宮城、福島の東北3県に本社を構える企業数は5万9156社。このうち太平洋沿岸部の市区町村には、約3割にあたる1万9855社が存在する。なかでも、津波の被害がとくに大きかった地域と、原発による立入禁止区域・計画的避難区域などを合計した「被害甚大地域」には少なくとも5000社前後存在することが分かった。しかし現状では、これら3県の震災倒産の判明は少数であり、「直接被害型」の倒産もわずかにとどまっている。今後、甚大な被害を受けた被災地企業の倒産状況が明らかになれば、大幅増加は必至である。
■10月以降、倒産が急増する可能性も
帝国データバンクが6月に行った現地確認調査においても、太平洋沿岸部の「被害甚大地域」の過半数の企業が事業を再開した一方で、会社関係者と連絡が取れず存続確認を取れないケースが約4割(1632社)あった。また先行き見通し難から事業休止中の企業(438社)や、廃業の意思を固めた会社(62社)の存在も明らかになった。調査時点で事業再開した企業の中には避難所や仮設住宅にいる経営者も多く、本格的な復旧・復興までの期間が長引けば、営業継続の意向をもつ企業の中からも事業意欲を喪失し倒産手続きに踏み切る企業が続出するおそれもある。現状、実質的に資金繰り破綻している企業は多いが、手形不渡りの記載猶予や返済猶予によって表面化していない倒産は相当数あることが推測される。阪神大震災時には震災後6ヵ月半で不渡りの記載猶予期間が終わり、しばらくして倒産は増加基調をたどった。今回のケースに当てはめれば、猶予期間終了が予想される10月がひとつの転換点となる。過去の統計を見ても10月は1年で最も倒産が多い月である。足元の倒産件数は増減を繰り返しているが、公共事業削減のあおりを受ける東北以外の建設業の倒産増加懸念、円高や原料高など他の不安要素もあり、震災発生から半年という節目を境に、その後倒産が急増する可能性は十分にある。
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