2011年 12月報 |
倒産件数は865件、2ヵ月ぶりの前年同月比減少 負債総額は3220億2000万円、4ヵ月ぶりの前年同月比増加 |
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| 倒産件数 | 865件 | 負債総額 | 3220億2000万円 |
|---|---|---|---|
| 前年同月比 | ▲8.9% | 前年同月比 | +48.5% |
| 前年同月 | 949件 | 前年同月 | 2168億5500万円 |
| 前月比 | ▲10.9% | 前月比 | +69.0% |
| 前月 | 971件 | 前月 | 1905億3800万円 |

■件数
ポイント 2ヵ月ぶりの前年同月比減少
倒産件数は865件(前月971件、前年同月949件)で、前月比は10.9%、前年同月比も8.9%の減少となり、2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。前年同月比の推移を見ると、1ケタ台で増減を繰り返し、一進一退が続いている。
要因・背景
1.製造業(101件)が11ヵ月連続で前年同月を下回り、2011年の年間最少を記録
2.岩手(3件)、宮城(5件)など中心に、東北(29件、前年同月比48.2%減)の減少続く
■負債総額
ポイント 4ヵ月ぶりの前年同月比増加
負債総額は3220億2000万円(前月1905億3800万円、前年同月2168億5500万円)で、前月比は69.0%、前年同月比は48.5%の増加となった。4ヵ月ぶりに前年同月を上回ったものの、総じて低水準が続いている。
要因・背景
1.負債トップは、ゴルフ場経営の(株)ゆたか環境緑化(茨城県)で414億円
2.負債50億円以上の倒産は11件、2010年5月以来、1年8ヵ月ぶりに10件上回る
■業種別
ポイント 製造業が2011年最少、前年同月比32.7%の大幅減少
業種別に見ると、建設業(245件、前年同月比6.5%減)、製造業(101 件、同32.7%減)など5業種で前年同月を下回り、製造業は2011年の年間最少を記録した。一方、サービス業(180件、同8.4%増)、不動産業(29件、同38.1%増)の2業種は前年同月を上回った。
要因・背景
1.建設業…配管・電気などの設備工事(59件、前年同月54件)で増加するも、土木・建築工事(72件、同93件)や鉄筋・鉄骨工事(6件、同14件)などで減少
2.製造業…一般・電気機械(21件、前年同月44件)が、前年同月比52.3%の大幅減少
3.サービス業…ソフトウェア開発やゴルフ場・スキー場などの娯楽施設で増加目立つ
■主因別
ポイント 「不況型倒産」の構成比81.7%、31ヵ月連続で80%台の高水準
主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は707件(前月836件、前年同月799件)となった。構成比は81.7%(前月86.1%、前年同月84.2%)で、前月は4.4ポイント、前年同月も2.5ポイント下回ったものの、31ヵ月連続で80%台の高水準となった。
要因・背景
1.輸出不振や取引先の海外シフトによる受注減少などで「円高関連倒産」が12件判明
2.「返済猶予後倒産」は27件すべて金融円滑化法利用後の倒産、過去最多を更新
倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計
■規模別
ポイント 負債5000万円未満の構成比53.2%、7ヵ月連続で50%台の高水準
負債額別に見ると、負債5000万円未満の小規模倒産は460件、構成比は53.2%を占め、7ヵ月連続で50%を超えた。一方、負債100億円以上の大型倒産は6件発生した。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満が475件、構成比は54.9%を占めた。中小企業基本法に基づく中小企業・小規模企業を見ると、863件(構成比99.8%)が中小企業に該当し、小規模企業は771件(同89.1%)となった。
要因・背景
1.負債5000万円未満の倒産、サービス業(113件、前年同月比25.6%増)で大幅増加
2.負債100億円以上の倒産(6件)は、2010年1月以来、2年ぶりに5件を上回る
■地域別
ポイント 東北が7ヵ月連続の前年同月比減少
地域別に見ると、9地域中7地域で前年同月を下回った。なかでも東北(29件、前年同月比48.2%減)は7ヵ月連続で前年同月を下回り、4ヵ月連続で30%を越える大幅減少となった。また、北海道(22件、同24.1%減)、北陸(13件、同59.4%減)でも減少が目立った。一方、中国(37件、同12.1%増)、四国(17件、同30.8%増)の2地域は前年同月を上回った。
要因・背景
1.東北は、各種金融支援策や復興需要などで、岩手、宮城を中心に減少
2.中国、四国は、建設業や小売業で増加目立つ
■景気動向指数(景気DI)
景気DIは35.7、前月比0.2ポイント増と2ヵ月ぶりに改善
2011年12月の景気動向指数(景気DI:0〜100、50が判断の分かれ目)は、前月比0.2ポイント増の35.7となり、2ヵ月ぶりに改善した。
震災から9ヵ月が経過し、復興需要が増加してきたことで、建設や建材製造など関連業種の収益増をけん引した。特に、東北では建設業を中心に企業活動が活発化しており、「宮城」の景気DIは全国47都道府県別で5ヵ月連続の第1位となった。「福島」も過去最高の第2位、「岩手」も第5位となるなど、改善が顕著であった。
内外需とも弱く、踊り場局面が続く
しかし、個人消費は低迷が続いた。雇用や所得環境の回復は進んでおらず、復興政策や財政再建に向けた先行きの負担増が意識され始めたことも消費回復の妨げとなった。歳末商戦では飲食料品などの生活必需品や省エネ関連の家電製品のほかは、目立った需要の底上げはみられなかった。
また、欧米の景気停滞により外需には力強さがなく、タイの洪水被害の影響が長期化していることにより、原材料や部品の供給への悪影響も続いた。1ドル=77円前後と円高傾向が定着するなど厳しい輸出環境が続いたことも、企業の生産活動の回復を鈍らせ、電機や自動車関連業種などの収益を下押しする要因となった。
国内景気は内外需とも弱く、踊り場局面が続いている。
今後の見通し
■倒産件数は2年連続減少、負債総額は過去10年で最小
2011年の企業倒産は1万1369件となり、2010年の1万1658件に比べ2.5%下回り、2年連続の減少となった。震災直後は一時的な倒産急増が懸念されたものの、中小企業金融円滑化法をはじめとする各種金融支援策と被災企業向けの特例措置などで、倒産は小康状態が続いた。
負債総額は3兆4637億3300万円に半減し、過去10年で最小となった。負債1000億円以上の超大型倒産も、安愚楽牧場(栃木)など3件にとどまった(2010年は7件)。
業種別では、円滑化法の利用が多いとみられる製造業(1590件)が前年を9.9%下回った。地域別では、東北(446件)が前年比20.9%の大幅減少で、各種救済策や復興需要の効果もあり、過去10年で最少の倒産件数となった。
■一方、被災地以外で「震災関連倒産」多発、「円高倒産」も4割増
2011年は、相次ぐ自然災害が猛威をふるう1年となった。1月の新燃岳噴火にはじまり、3月には東日本大震災と福島原発事故が発生。企業活動にも多大な影響を与え、サプライチェーン寸断、電力不足、放射能汚染に伴う風評被害、消費マインド停滞による買い控えを通じ、国内景気は急速に悪化。震災による直接、間接の影響を受けた「東日本大震災関連倒産」が各地で相次ぎ、95年の阪神大震災時を大きく上回る発生状況が続いた。その後、10月にはタイの洪水被害が発生。震災後の混乱から立ち直りつつあった製造業を中心に、影響が広がった。
10月下旬に1ドル=75円台の戦後最高値を連日更新した円相場も、国内産業を牽引してきた輸出企業を苦境に陥れた。2011年の「円高関連倒産」は85件判明。集計開始の2008年以降で最多の2010年(58件)に比べ46.6%の大幅増となった。「デリバティブ損失」による倒産に加え、年後半にかけては大企業の海外シフトの動きを受け、体力的に劣る中小製造業を中心に「受注減少」から倒産するケースが増加しており、今後も小規模業者の倒産増が懸念される。
■2012年の企業倒産、緩やかに増加へ
多くの中小企業は、震災、円高、デフレなど、外部環境の悪化で業績回復が遅れている。にもかかわらず、倒産は2年連続の減少となった。震災後の各種救済措置とともに、倒産抑制に効果を発揮したのが「中小企業金融円滑化法」である。金融庁は12月27日、同法の期限を2013年3月末まで1年延長する方針を発表した。これにより、現在のほぼ横ばい状態の倒産推移がしばらく続く可能性もある。
しかし、リスケ継続は抜本的な企業再生につながらず、あくまで倒産時期の先送りに過ぎない。円滑化法を利用して返済猶予を受けながら倒産した企業は、2011年1年間で194件判明。9月以降4ヵ月連続で、月間最多を更新している。その大半が、猶予期間中に業績回復できず企業自身が力尽きたケースであり、推定30万社前後とみられる同法利用企業の息切れが年後半から顕在化し始めている。金融庁が11月に公表した「資本性借入金」の積極的活用による支援策も、円滑化法ほどの倒産抑制効果を生むかは不透明。今後は金融機関が企業選別の動きを徐々に強めていくと予想されることから、潜在的な倒産増加リスクは依然高いままだ。
このため企業倒産は、復興需要の本格化が期待される東北を除き、現在の横ばい推移から、年後半にかけて緩やかに増加するとみられる。被災地以外の零細企業の倒産増が懸念される建設業、円高の影響本格化が予想される製造業、消費増税等の将来不安から販売不振による倒産増が続く小売・サービス業など、懸念材料が山積している。被災地企業の二重ローン問題解消のための公的な再生支援機関も、今後どこまで機能するか未知数の部分があり、倒産や廃業などの形で業績不振のまま事業継続を断念する企業が相次ぐおそれもある。
2012年はまさしく、中小企業再生の真価が問われる1年となる。
詳細は資料(PDF 568KB)をご覧ください。

