2009年6月報 |
倒産件数は1294件、13ヵ月連続の前年同月比増加 |
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| 倒産件数 | 1294件 | 負債総額 | 4744億7200万円 |
|---|---|---|---|
| 前月比 | 22.4%増 | 前月比 | 7.3%減 |
| 前月 | 1057件 | 前月 | 5115億9000万円 |
| 前年同月比 | 21.5%増 | 前年同月比 | 0.5%増 |
| 前年同月 | 1065件 | 前年同月 | 4719億2000万円 |
■件数
ポイント 集計基準変更の2005年4月以降で最多
倒産件数は1294件(前月1057件、前年同月1065件)で、前月比は22.4%の増加、前年同月比も21.5%の増加となった。13ヵ月連続で前年同月を上回り、2008年10月の1231件を抜いて集計基準変更の2005年4月以降で最多を更新した。
要因・背景
1. 資金繰り難に陥る業者が相次ぎ、建設業の倒産が372件と集計基準変更後で最多
2. 半導体や自動車関連など、大手メーカーの減産が影響し、製造業の倒産が大幅増加
3. 「緊急保証制度」の利用進むも、中小・零細企業は厳しい資金繰り続く
■負債総額
ポイント 2ヵ月連続の前年同月比増加も、今年最低
負債総額は4744億7200万円(前月5115億9000万円、前年同月4719億2000万円)で、前月比は7.3%の減少となる一方、前年同月比は0.5%の増加となったものの、今年最低となった。倒産1件あたりの平均負債額は3億6700万円で、2007年7月の3億3500万円以来、1年11ヵ月ぶりに3億円台にとどまるなど、全体の負債総額は低水準が続いた。
要因・背景
1. 負債10億円以上の倒産が86件発生したが、負債100億円以上の倒産は9件と1ケタ台
2. 負債トップは、ゴルフ場経営の(有)ランドマーク(岡山県)の156億9800万円にとどまる
■業種別
ポイント 建設業が急増、集計基準変更後で最多
業種別に見ると、7業種中6業種で前年同月比増加となり、とくに製造業(191件)は前年同月比63.2%の大幅増加。建設業(372件、前年同月比+27.0%)、卸売業(201件、同+10.4%)、サービス業(242件、同+34.4%)の3業種は集計基準変更の2005年4月以降で最多となった。一方、小売業(172件、同▲8.5%)は6ヵ月ぶりに前年同月を下回った。
要因・背景
1. 建設業…工事代金など年度末の入金ピーク時期を過ぎ、資金繰り難に陥る業者相次ぐ
2. 製造業…半導体や自動車に関連する機械製造業者の倒産が急増
3. サービス業…設備投資縮小の影響により、システム受託開発業者などの倒産目立つ
■主因別
ポイント 「不況型倒産」の構成比81.2%、3ヵ月ぶりの80%超え
主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は1051件(前月830件、前年同月850件)で、前月比は26.6%(221件)、前年同月比も23.6%(201件)の増加となった。構成比は3ヵ月ぶりに80%を超える81.2%(前月78.5%、前年同月79.8%)となり、前月比は2.7ポイント、前年同月比も1.4ポイント上回った。
要因・背景
1.「不況型倒産」では、製造業が前年同月比70%を超える大幅増加
2.「メーカー減産関連倒産」が26件発生、中小・零細企業を中心に影響拡大
倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計
■規模別
ポイント 負債100億円以上の大型倒産、2ヵ月連続で1ケタ台
負債額別に見ると、負債5000万円未満の小規模倒産は511件、構成比は39.5%を占めた。一方で、負債100億円以上の大型倒産は9件と、前月に続き1ケタ台にとどまった。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満の小規模企業が586件、構成比は45.3%を占めた。従業員数別では10人未満が997件、構成比77.0%を占めた。従業員数合計は1万682人となり、前年同月比29.0%の大幅増加となった。
要因・背景
1. 大企業・中堅企業向け支援策の効果が広がり、大型倒産は低水準にとどまる
2. 「緊急保証制度」の利用進む一方、中小・零細企業の資金調達環境は依然厳しく
3. 製造業の小規模倒産が増加基調で推移
■地域別
ポイント 近畿、北陸が集計基準変更後で最多
地域別に見ると、9地域中6地域で前年同月比増加となり、なかでも近畿(387件)は前年同月比45.5%の大幅増加で、2009年3月の343件を抜いて集計基準変更後で最多となった。北陸(49件)も2008年11月、2009年1月と並んで最多。一方、北海道(39件、前年同月比▲13.3%)、東北(63件、同▲11.3%)、中国(50件、同▲25.4%)の3地域では、前年同月比減少となった。
要因・背景
1. 近畿は、大阪で建設業の倒産が増加したほか、兵庫や滋賀で中小製造業の倒産が増加
2. 北海道、東北、中国では、建設業や小売業などの減少が影響
今後の見通し
■2009年6月の景気DI、内需の底上げにより4ヵ月連続で改善
2009年6月の景気動向指数(景気DI:0〜100、50が判断の分かれ目)は、前月比1.6ポイント増の22.3となり4ヵ月連続で改善した。
「小売」「サービス」など内需を中心に全10業界が改善し、地域別では内需が堅調な「四国」「九州」など地方圏を中心に全10地域が改善した。5年2ヵ月ぶりに全業界、全地域で改善したが、いずれもリーマン・ショック前の水準には及ばない。力強さには欠けるものの、国内景気は最悪期を脱し、緩やかな回復局面に入った。
■企業の生産活動がやや復調、日経平均株価は1万円を回復
中国の内需刺激による家電向けの需要増、米住宅着工、中古住宅販売の増加など米経済の底打ち期待、国内における在庫調整の進展によって生産活動がやや復調してきたことなどにより「製造」も改善した。さらに、先行きの需要増への期待やリスク資産への資金環流によって、原油などの原材料価格が再び上昇基調となり、日経平均株価は一時、2008年10月7日以来約8ヵ月ぶりに1万円を回復した。
■雇用や所得の悪化により、一段の景気底上げにはつながらず
企業における雇用の過剰感は緩和されず、雇用環境や所得は悪化した。年金や医療などの構造的な将来不安も解消されないなかで、家計の生活防衛意識は根強く、一段の景気底上げにはつながらなかった。
■倒産件数は半期ベースで7期連続の前期比増加
2009年上半期の倒産は7023件発生し、前年同期の6022件を1001件上回り、前年同期比16.6%の増加。半期ベースでみても、2006年上半期の4625件以降、7期連続で前期を上回った。月別推移をみると、年明け1月から年度末の3月にかけて増加基調を強めていたが、4月、5月は2ヵ月連続の前月割れ。「緊急保証制度」をはじめとする政府の危機対応策の効果から、長らく続いた増加局面に一定の歯止めがかかるかにみられたが、6月の倒産は1294件に再び急増した。ここ数ヵ月、減少傾向にあった建設業が大幅な増加に転じた影響で、2008年10月の1231件以来、8ヵ月ぶりに集計基準変更後の最多件数を更新するなど、倒産増加の勢いは依然として衰えていないことを裏付けた。
■製造業、不動産業の増加目立つ
負債総額も4兆5941億6000万円となり、前年同期比52.2%の大幅増加。前期のリーマン・ブラザーズ証券(株)(負債3兆4314億円、2008年9月)のような負債1兆円を上回る超大型倒産こそ発生しなかったものの、(株)SFCG(負債5500億円)や日本綜合地所(株)(同1975億4900万円)など、上場企業の倒産が18件と上半期としては過去2番目の高水準となったことが影響した。業種別では、製造業と不動産業の増加が目立った。製造業は世界的な需要急減と大手自動車・電機メーカーの減産のあおり、不動産業はリーマン・ショック後の資金調達環境の悪化とマンション販売不振による在庫過多を受け、倒産が多発した。主因別では販売不振、業界不振などを主な原因とする「不況型倒産」の構成比が80.5%に達し、半期ベースで初めて80%を上回るなど、2009年1〜3月を中心に、急速な景気悪化で行き詰まる企業が相次いだ。
■政府の「景気底打ち」宣言も、先行き不透明感強く
政府は6月の月例経済報告において景気の基調判断を「一部に持ち直しの動きがみられる」として7ヵ月ぶりに「悪化」の表現を削除、事実上の「景気底打ち」を宣言した。各種経済指標をみても軒並み改善を示しており、国内景気はたしかに最悪期を脱しつつあるかにもみえる。しかし、リーマン・ショック前の水準には及ばず、「底打ち」という表現ほどに回復の力強さは感じられない。その背景としては、大企業と中小企業、それぞれが置かれた経営環境の違いが影響している。生産活動が徐々に持ち直しはじめた大企業に対し、その恩恵が多くの中小企業にまで浸透していないからだ。本業の収益環境、資金調達環境ともに依然厳しい中小企業は、今後の展望も描けず、綱渡りの経営を余儀なくされている。こうした先行き不透明感を反映し、6月に入り、負債5億円未満の倒産が多発し、再び増加基調を強めている。
■倒産は一進一退の状況、予断許さず
今後の倒産動向に影響を与える懸念材料としては、1.雇用環境の悪化、価格競争の激化、消費低迷、デフレ進行による小売、卸売、サービス業の倒産増加、2.原油・素材価格の再上昇による製造、運輸業の倒産増加、3.すでに6月に倒産が急増したうえ、これから夏場以降、資金繰りが苦しい時期を迎える建設業の倒産増加などが挙げられる。資金需要が高まる年末にかけては、一部企業で「緊急保証制度」による借入金の元本返済がはじまり、業種を問わず、資金繰り倒産が相次ぐ可能性もある。また大型倒産は足元で沈静化しはじめているが、業界環境の悪化が長引く新興不動産会社に加え、新たな企業再建手法として注目される事業再生ADRの申請企業の動向からも目が離せない。倒産の大部分を占める中小企業においては、一連の危機対応策の効果に早くも息切れ感が出はじめ、8月の需要閑散期から9月の中間決算期末にかけて景気の回復状況次第では倒産がさらに増加するおそれもあり、予断を許さない状況が続く。

