2008年10月報 |
倒産件数は1231件、集計基準変更の2005年4月以降で最多 |
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| 倒産件数 | 1231件 | 負債総額 | 9790億1500万円 |
|---|---|---|---|
| 前月比 | 9.7%増 | 前月比 | 81.6%減 |
| 前月 | 1122件 | 前月 | 5兆3197億9400万円 |
| 前年同月比 | 13.7%増 | 前年同月比 | 121.7%増 |
| 前年同月 | 1083件 | 前年同月 | 4416億6900万円 |
■件数
ポイント 集計基準変更の2005年4月以降で最多、2008年の累計は1万件を突破
倒産件数は1231件(前月1122件、前年同月1083件)で、前月比は9.7%の増加、前年同月比も13.7%の増加となり、2008年7月の1131件を抜いて集計基準変更の2005年4月以降で最多を記録。2008年1〜10月の累計も1万524件と1万件を突破した。
要因・背景 大型倒産の続発や景気後退が中小・零細企業を圧迫
1.建設、不動産業での大型倒産続発を受け、焦げ付き発生による連鎖倒産が増加
2.景気後退により、資金繰りに苦しむ中小・零細企業の倒産が全業種で増加
3.原料高関連の倒産が73件発生、前月の78件に次ぐ過去2番目の高水準
■負債総額
ポイント 集計基準変更の2005年4月以降で2番目の高水準
負債総額は9790億1500万円(前月5兆3197億9400万円、前年同月4416億6900万円)で、前月比は81.6%の減少となったものの、前年同月比は121.7%の大幅増加となった。集計基準変更の2005年4月以降では、前月に次いで2番目の高水準となった。
要因・背景 金融危機を背景に、生命保険会社、J-REITが倒産
1.中堅生保の大和<やまと>生命保険(株)(東京都、負債2695億円)やJ-REIT(不動産投資信託)のニューシティ・レジデンス投資法人(東京都、同1123億6500万円)が倒産
2.負債100億円以上の大型倒産が、建設・不動産関連を中心に12件発生
■業種別
ポイント 全業種で倒産増加目立つ
業種別に見ると、全業種で前年同月比増加となった。なかでも、製造業(176件、前年同月比+30.4%)、小売業(231件、同+6.0%)、サービス業(203件、同+18.0%)の3業種は集計基準変更の2005年4月以降で最多。建設業(324件、同+4.9%)も、今年7月と並び最多となるなど、全業種で倒産増加が目立った。
要因・背景 世界的な金融危機、内需の停滞、原料高が各産業に影響
1.建設業…受注減に資材価格高騰、不動産業者への焦げ付き散発が追い打ち
2.製造業…設備投資をはじめ内需が停滞、外需の減速、原料高も影響
3.小売業、サービス業…景気後退による消費低迷に加え、競争激化が影響
■主因別
ポイント 「不況型倒産」の構成比80.3%、80%を超える高水準
主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は988件(前月894件、前年同月826件)で、前月比は10.5%(94件)、前年同月比も19.6%(162件)の増加。構成比は80.3%(前月79.7%、前年同月76.3%)で、集計基準変更後で最高の8月(81.4%)に次ぐ高水準となった。
要因・背景 消費者心理の一段の悪化、厳しい資金調達環境が影響
1.景気後退が加速し内需が停滞、外需の減速も加わり、企業の収益環境が悪化
2.金融危機の深刻化から、金融機関の厳しい融資姿勢が続き、資金調達環境がさらに悪化
3.原料高関連の倒産が73件発生、前月の78件に次ぐ過去2番目の高水準
倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計
■規模別
ポイント 負債100億円以上の大型倒産、4ヵ月連続で10件を上回る高水準
負債額別に見ると、倒産の中心は負債5000万円未満の零細企業で占められており、10月は524件、構成比42.6%となった。一方、負債100億円以上の倒産が12件(前月13件、前年同月5件)で前年同月比140.0%の大幅増加で、4ヵ月連続で10件を上回る高水準となった。資本金別でも小規模倒産が大部分を占める一方、資本金1億円以上の倒産が38件、前年同月比52.0%の増加となり、前年を大きく上回った。
要因・背景 建設・不動産関連の大型倒産相次ぐ
1.不動産市況の停滞、資金調達環境の悪化からマンション分譲業者の倒産が7件発生
2.新興の不動産業者に対する焦げ付きが、中堅建設業者に追い打ちかける
3.景気後退による消費低迷、原料高が中小企業の経営を圧迫
■地域別
ポイント 全地域で倒産増加目立つ
地域別に見ると、関東(425件、前年同月比+31.2%)を中心に7地域で前年同月比増加。なかでも、北陸(48件、同+4.3%)、中部(135件、同+8.9%)、九州(118件、同+40.5%)の3地域は、集計基準変更の2005年4月以降で最多を更新した。東北(83件、同増減なし)も、2007年10月と並び最多となるなど、全国的に倒産増加が目立った。
要因・背景 実体経済の悪化が顕著となり、地方圏で小規模企業の倒産が増加
1.関東は、内需停滞から、ソフトウエア、広告を中心としたサービス業、小売業が高水準
2.中部は、建設、サービス業の倒産が増加
3.九州は、資金調達環境の悪化から、小規模の製造、小売業者の倒産が高水準で推移
■上場企業倒産
10月の上場企業倒産は、J-REIT(不動産投資信託)初の倒産となったニューシティ・レジデンス投資法人(負債1123億6500万円、東京都、民事再生法)、マンション分譲の(株)ダイナシティ(同520億7700万円、東京都、民事再生法)など、建設、不動産業を中心に8件と多発し、前月の7件を上回り2ヵ月連続で過去最多を更新。この結果、2008年の上場企業倒産は上場廃止1件を含め28件に達し、戦後最多の2002年の29件を上回るのは確実な情勢となった。
■大型倒産
10月の負債額トップは、中堅生保の大和生命保険(株)(東京都、更生特例法)の2695億円。金融市場の混乱が経営を直撃し、7年7ヵ月ぶりとなる生命保険会社の倒産となった。このほか、ニューシティ・レジデンス投資法人(負債1123億6500万円、東京都、民事再生法)、(株)ダイナシティ(同520億7700万円、東京都、民事再生法)がこれに続き、負債100億円以上の倒産が12件(前月13件、前年同月5件)発生し、4ヵ月連続で10件を上回る高水準となった。
2008年の大型倒産(上位20社)の顔ぶれを見ると、金融、不動産、建設業が目立つ。10月も上記企業のほか、兵庫県下最大手ゼネコンで東証・大証1部上場の(株)新井組(負債427億3700万円、兵庫県)が民事再生法の適用を申請。不動産業界の急速な信用収縮から資金繰りに行き詰まるマンション分譲業者と、構造不況のなかで新興の不動産業者への大口焦げ付きから連鎖倒産に至る地場ゼネコンが続発している。
今後の見通し
■景気DIは26.5、過去最大の悪化幅を記録、国内景気は一段と後退
2008年10月の景気動向指数(景気DI:0〜100、50が判断の分かれ目)は、前月比2.8ポイント減の26.5と8ヵ月連続で悪化した。2008年1月と並んで過去最大の悪化幅を記録し、都市圏を中心に全国で企業活動が停滞。国内景気は一段と後退した。
■米金融危機が欧州に拡大し外需が減速、急激な円高・株安も進行して企業業績を圧迫
米金融危機が欧州に広がって、実体経済への影響が拡大し外需が減速するなか、ロンドン市場で一時1ドル=90円台(24日)、NY市場で同1ユーロ=113円台(27日)と円独歩高となった。一方、日経平均株価は6994円90銭とバブル崩壊後の最安値を更新(28日)。金融機関やこれまで景気回復を牽引してきた電機、自動車など大手製造業を中心に業績の下方修正が相次ぐなど、国内企業への影響が拡大した。
■雇用・所得不安の増大で消費者心理が悪化、「不動産」「小売」などが過去最低に
NY原油先物相場(WTI)は一時1バレル=61ドル台(27日)となるなど、原油・素材価格は急速に下落した。ガソリン価格は落ち着き始めたものの、これまで値上がりが続いてきた食料品価格などの改定には至らず、家計での生活防衛意識は高止まりが続いた。
また、医療・年金問題が進展しないなか、先行きの雇用や所得不安の増大によって消費者心理が一段と悪化し、「不動産」や「小売」、「建設」、「運輸・倉庫」が過去最低に落ち込み、内需の停滞が浮き彫りとなった。
■倒産件数1231件、集計基準変更後で最多、2008年の累計は1万件突破
2008年10月の倒産は、1231件発生した。集計基準を変更した2005年4月以降で初の1200件台となり、単月で最多の件数を記録、2008年1〜10月の累計も1万524件と1万件を突破した。最多件数の更新は今年に入り、3月(1127件)、7月(1131件)に続いて3度目で、倒産は月を追うごとに増加基調を強めている。負債総額も9790億1500万円と1兆円に迫り、リーマン・ブラザーズ証券(株)の倒産で急増した前月に次いで、基準変更後2番目の高水準となった。
世界的な金融危機が深刻化した10月は、中堅生保の大和生命保険(株)が負債2695億円を抱えて、更生特例法の適用を申請した。サブプライムローン問題に端を発する金融市場の混乱が「有価証券について想定外の急速かつ深刻な価値の下落」をもたらし、同社の経営を直撃。2001年3月の東京生命保険(相)以来、7年7ヵ月ぶりとなる生保倒産が現実のものとなった。このほか、負債100億円以上の大型倒産が12件発生し、4ヵ月連続して10件を上回る高水準となったことも、負債総額を押し上げる大きな要因となった。
■上場企業倒産が8件と多発、2ヵ月連続して過去最多を更新
上場企業倒産が8件と多発し、前月の7件を上回り、2ヵ月連続で過去最多を更新した。J-REIT(不動産投資信託)初の倒産となったニューシティ・レジデンス投資法人、新興のマンション業者の(株)ダイナシティ、(株)ノエルのほか、地場トップゼネコンの(株)新井組が次々と倒産し、建設・不動産の大型倒産ラッシュの影響がさらに広がった。この結果、2008年の年間合計は上場廃止の1件を含め28件に達し、戦後最多の2002年の29件を上回るのは確実な情勢となった。
業種別では、建設業が324件と今年7月に並び、集計基準変更の2005年4月以降で最多。不動産業も48件と、2006年3月の55件に次ぐ2番目の高水準となった。製造業も176件と2ヵ月連続で基準変更後の最多を更新。今後、景気悪化にともなう内外需の減速と急激な円高の影響が懸念されるなか、製造業の倒産はすでに増加基調を強めている。個人消費の一段の低迷から、小売業、サービス業の倒産も同じく最多となったほか、主因別では「不況型倒産」の構成比が80.3%と今年8月の81.4%に次ぐ高水準となるなど、実体経済の悪化が顕著となった。
■2008年の年間合計、前年を大きく上回る1万3000件に届く勢い
「100年に1度の暴風雨」のなか、政府は10月末、追加の経済対策を発表した。過去最大の事業規模となる政策の柱のひとつが、企業の資金繰り対策で、現行の「責任共有制度」とは別枠での中小企業向けの緊急保証枠の拡大である。これから年末にかけて企業の資金需要が高まる時期を迎え、今回の政策により“貸し渋り”批判にさらされている金融機関の融資姿勢の緩和が期待される。しかし、政策の効果はあくまで当面の資金繰りを乗り切るための一時避難的なものにとどまり、直接的に企業を取り巻く事業環境の改善につながるわけではないことには留意すべきだろう。このことは、98年10月の「特別保証制度」導入直後、倒産が一時的に減少したものの、その後再び急増した当時の状況をみても明らかである。
米国発の金融危機は、日本の建設、不動産業にとどまらず、製造、小売業など他の産業にも多大な影響を及ぼし、1.円高・株安の進行にともなう輸出企業の業績悪化、2.不良債権処理損失が拡大する地域金融機関の経営問題、3.消費者心理のさらなる悪化、などの形で国内景気を下押しするさまざまなリスク要因が増幅している。年末にかけても実体経済が改善に向かう材料には乏しく、2008年の倒産件数は現状のペースでは前年の1万959件を大きく上回る1万3000件に届く勢いである。しかし、政府の資金繰り対策の効果によって倒産を免れる中小企業が増加することが予想されるため、倒産件数は一時的に減少する可能性もある。
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