2007年報 2007年(平成19年) 1月1日〜12月31日 |
倒産件数は1万959件、前年比17.2%増加、1万件を突破 負債総額は5兆4917億2800万円、前年比4.2%の増加 |
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| 倒産件数 | 1万959件 | 負債総額 | 5兆4917億2800万円 |
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件数推移グラフ
負債総額推移グラフ
■件数
2007年の倒産件数は1万959件(前年9351件)発生し、前年比17.2%(1608件)の増加となり、1万件を突破した。
2007年の倒産推移を年四半期ベースでみても、2006年第2四半期以降、一貫して前年同期を上回り、増加基調を持続している。
主な要因としては、中小・零細企業の倒産増加のほか、業種別ではとくに建設業、小売業、サービス業倒産の大幅増加があげられ、全体の件数を押し上げる要因となっている。
■負債総額
2007年の負債総額は5兆4917億2800万円(前年5兆2717億9700万円)となり、前年比4.2%(2199億3100万円)の増加となった。
2007年の推移を年四半期ベースでみると、旧・住専の大口融資先で賃貸ビル経営の麻布建物(株)(負債5648億円、東京都、8月)が倒産した影響により第3四半期は前年同期比で大幅な増加となったものの、ここ数年続いた負債規模の減少傾向に変化はみられない。
負債額別でみても、負債100億円以上の倒産は67件(前年89件)にとどまり、大型倒産は低水準で推移しており、「倒産件数増、負債総額減」という傾向が続いている。
■業種別
業種別にみると、7業種すべてで、前年を上回った。
とくに、小売業(2078件、前年比+29.1%)、サービス業(1923件、同+23.3%)、運輸・通信業(365件、同+20.5%)の3業種で、前年比20%を超える大幅増加となった。
件数上位は、建設業(2939件)、小売業(2078件)、サービス業(1923件)の順。建設業は「脱談合」の影響などから、前年(2606件)を上回り依然として高水準で推移している。
■主因別
主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は8445件(前年6908件)となり、前年を22.2%(1537件)上回った。
「不況型倒産」の構成比は77.1%(前年73.9%)となり、前年を3.2ポイント上回っている。
なかでも、販売不振(7828件、前年比+23.8%)の増加ぶりが目立つ。
一方、放漫経営(432件、前年比▲13.3%)は前年を66件下回っている。
■規模別
負債額別に見ると、負債1億円未満の倒産は6559件(前年5392件)となり、前年比も21.6%(1167件)の増加となり、中小・零細企業の倒産増加が全体の倒産件数を押し上げる要因となった。
一方、負債100億円以上の倒産は67件(前年89件)にとどまり、大型倒産は低水準で推移している。
資本金別に見ると、個人経営(1768件、前年比+57.2%)の倒産が引き続き高水準。
■態様別
破産は9912件(前年8416件)で、前年を17.8%(1496件)上回った。構成比は90.4%(前年90.0%)。
民事再生法は670件(前年571件)で、前年を17.3%(99件)上回った。構成比は6.1%(前年6.1%)。
特別清算は368件(前年359件)で、前年を2.5%(9件)上回った。構成比は3.4%(前年3.8%)。
■地域別
地域別に見ると、9地域すべてで、前年を上回った。
北陸(372件、前年比+38.3%)、近畿(2978件、同+26.2%)、九州(851件、同+23.0%)の3地域は、前年比20%を超える大幅増加となった。
件数の上位は、関東(3807件)、近畿(2978件)、中部(1154件)の順。
■業歴別
業歴30年以上の「老舗倒産」は3267件(前年2672件)となり、前年を22.3%(595件)上回った。
「老舗倒産」の構成比は29.8%(前年28.6%)となり、前年を1.2ポイント上回った。
一方、業歴3年未満は392件(前年321件)となり、前年を22.1%(71件)上回っている。
■上場企業倒産
2007年の法的整理による上場企業倒産は、東証2部上場の(株)アイ・エックス・アイ(大阪府、1月)、東証1部上場で消費者金融・準大手の(株)クレディア(静岡県、9月)、同じく東証1部上場で総合建設業の(株)みらい建設グループ(東京都、9月)など6件発生、前年(2件)を上回った。
近年、上場企業倒産は、2002年(29件)をピークに低水準での推移が続いており、私的整理へのシフトが鮮明となっている。
■大型倒産
2007年の大型倒産で負債額トップは、旧・住専の大口融資先で賃貸ビル経営の麻布建物(株)(負債5648億円、8月)。次いで、同じく旧・住専の大口融資先の(株)エフ・アール・イー(旧商号:第一不動産(株)、負債2223億円、1月)。
負債1000億円以上の倒産は3件(前年5件)にとどまった。下表のように、大型倒産の上位は不動産業、ゴルフ場経営などのバブル処理型の案件で占められているが、語学スクール最大手の(株)ノヴァ(負債855億円、10月)や、パチンコ店経営の(株)ダイエー(同636億6000万円、4月)など、実体のある企業の大型倒産も発生している。
数値について
2005年の数値は法的整理のものですが、2005年4月以降は“月をまたいで任意整理から法的整理へ移行した企業”を含みますが、3月以前は含んでいません。2005年の年間合計は両者を便宜上合算した数値であるため、過去との単純比較はできません。
今後の問題点
■2007年12月の景気動向指数(景気DI:0〜100、50が判断の分かれ目)は38.3となり、前月比1.2ポイント減少。2007年4月以降9ヵ月連続の悪化となるとともに、3ヵ月連続して1ポイント以上の悪化幅となった。これにより、2007年1年間では7.2ポイント減と2006年(1.5ポイント減)に続いて2年連続の悪化となった。
■2007年後半から原油高・円高や米景気への懸念などの外的リスクがさらに深化し、素材・消費財の相次ぐ値上げも国内景気にマイナスに作用。加えて、「改正建築基準法」の施行による確認申請の遅れ・手控えや政治不信も新たなリスク要因として台頭し、景気DIはついに2003年以来の40ポイント割れ水準まで下落、足元経済の厳しい状況が鮮明となる1年となった。
■とくに川下の中小卸売、小売業者は、ガソリン価格をはじめ鋼材や石化製品、飲食料品などでも値上げが相次ぐなか、消費低迷によって仕入れコスト上昇分を販売価格に転嫁できない厳しい経営を強いられている。実際、企業に仕入価格上昇分の販売価格への転嫁率を尋ねたところ、中小・零細企業は77.6%、4社に3社以上が転嫁率5割以下という厳しい現実が浮き彫りとなった。12月の規模間格差は5.5ポイント(大企業42.5、中小企業37.0)と集計開始の2002年5月以降で最大に広がっており、中小・零細企業の業況は一層厳しさが増しているのが実態である。
■2007年の法的整理による倒産は1万959件発生し、前年を1608件上回り、17.2%の増加となった。月ベースでみても、年間を通じてほぼ一貫して前年同月を上回り、10月は1083件発生し、法的整理のみに集計対象を変更した2005年4月以降で最多を記録。12月は891件で前年同月比0.6%減とわずかに下回ったものの、倒産件数は建設業、小売業、サービス業を中心とする中小・零細企業が全体の件数を押し上げる形で増加基調を持続し、1万件を突破した。一方、負債総額は5兆4917億2800万円で前年を2199億3100万円上回り、4.2%の増加となった。これは、旧・住専の大口融資先である麻布建物(株)(東京都)が8月に2007年最大の負債5648億円を抱えて倒産した影響が大きく、全体としてはここ数年続いた負債規模の縮小傾向に変化はみられなかった。
■倒産要因をみると、本業の販売不振を主な原因とする「不況型倒産」が全体の77.1%を占めており、中小・零細企業を中心に厳しい経営環境が続いた。この状況に追い打ちをかけたのが、資源価格の高騰と法改正に伴う規制強化の影響である。とくに資源高の影響による倒産は229件で過去最多となり、前年の140件から急増、原油や素材価格の高騰が企業収益を圧迫する深刻な現状が浮き彫りとなった。また、「改正建築基準法」の混乱が続いた建設業界や、「風営法施行規則等の改正」もあり営業環境が厳しさを増すパチンコ業界など、法改正による規制強化の影響は関連業界のみならず、周辺業界にまで広がった。
■こうしたなか、1月の(株)アイ・エックス・アイ(大阪府)以降、沈静化が続いていた上場企業の倒産が9月以降に集中して発生し、前年の2件から6件に増加。消費者金融の(株)クレディア(静岡県)、総合建設業の(株)みらい建設グループ(東京都)、語学スクール最大手の(株)ノヴァ(大阪府)などが相次いで倒産した。また、2008年度に予定される「地域力再生機構」の創設を前に、注目度が高まる第三セクターの倒産が21件発生、前年の11件から倍増し、2001年の22件に次いで過去2番目の高水準となった。
■今後の倒産動向に影響を与えうる主な要因としては、1.「改正建築基準法」の影響本格化、2.原油や素材価格の高騰による影響長期化、3.「責任共有制度」や「改正貸金業法」の施行による資金調達環境の悪化懸念、4.「地域力再生機構」の創設による第三セクターや地場企業の再生・処理の動き、などがあげられる。また、2007年に相次いだ偽装表示事件や詐欺事件など、コンプライアンス違反行為が発覚した企業の“その後”の動向のほか、円高リスクなどにも留意する必要がある。経営基盤が脆弱な中小・零細企業を中心に、倒産リスクが多数存在する状況に変化はなく、しばらくは「小規模企業の倒産多発」が続き、年度末にかけても倒産は高水準で推移する見通しである。

