2002年1月報 |
倒産1620件、負債1兆672億8600万円 |
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| 倒産件数 | 1620件 | 負債総額 | 1兆672億8600万円 |
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| 前月比 | 件数 | 7.6%増 | 前月 | 1505件 |
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| 負債 | 31.8%減 | 前月 | 1兆5640億7300万円 | |
| 前年同月比 | 件数 | 19.3%増 | 前年同月 | 1358件 |
| 負債 | 10.1%増 | 前年同月 | 9696億4600万円 |
1月倒産の主要ポイント
◆倒産1620件、前年同月を19.3%上回り、2ヵ月ぶりの前年同月比増加で増加率は2ケタを記録。1月としては初めて1600件を超え戦後最悪となった。これは、基幹産業である製造業の倒産が増えているためで、不況を背景とした倒産増加傾向が顕著となってきたことを表している。2001年度の年間合計は2万件を超え、戦後最悪(84年度、2万363件)に迫る見込み。
◆負債総額は1兆672億8600万円、5ヵ月連続の1兆円超えとなり、1月としては戦後最悪となった。負債が高水準となったのは、(株)シンコーホーム(負債1400億円、愛知県)や、全国八葉物流(株)(負債495億3800万円、東京都)などの大型倒産が多発したため。
◆上場企業の倒産は4件で、月間件数としては昨年11月と並んで過去最多。(株)ケイビー(負債204億9000万円、東京都)、殖産住宅相互(株)(負債135億円、東京都)、北の家族(株)(負債116億円、東京都)、イタリヤード(株)(負債58億円、京都府)が倒産。
◆不況型倒産は1247件。構成比は77.0%で9ヵ月連続75%以上の高水準。「モノが売れない」などの不況要因によって倒産に追い込まれた企業が、全体の約4分の3を占める。
◆業歴30年以上の「老舗倒産」が、4社に1社の割合で発生(420件、構成比25.9%)。
■件数
件数1620件、2ヵ月ぶりの前年同月比増加、1月としては初めて1600件を超え戦後最悪
倒産1620件は、前月(1505件)を115件(7.6%増)上回り、3ヵ月ぶりの前月比増加となった。前年同月(1358件)比でも262件(19.3%増)の増加となり、2ヵ月ぶりの前年同月比増加となった。
この結果、1月としては初めて1600件を超え、戦後最悪となった。これは、基幹産業である製造業の倒産が増えているためで、不況を背景とした倒産増加傾向が顕著となってきたことを表している。
これにより、年度ベースでみると、2001年4月〜2002年1月までの合計は1万6552件となった。これは、年度の年間合計が戦後最悪を記録した84年度(年間合計2万363件)の同期(84年4月〜85年1月、1万7265件)に次ぐ戦後2番目の高水準となっており、2001年度の年間合計は2万件を超え、戦後最悪に迫る見込みとなった。
■負債総額
負債総額1兆672億8600万円、1月としては初めて1兆円を突破し戦後最悪を記録
負債1兆672億8600万円は、前月(1兆5640億7300万円)を4967億8700万円(31.8%減)下回ったものの、前年同月(9696億4600万円)を976億4000万円(10.1%増)上回った。この結果、5ヵ月連続の1兆円超えとなり、1月としては初めて1兆円を突破し戦後最悪を記録した。
負債が高水準となったのは、月中、不動産開発・販売の(株)シンコーホーム(負債1400億円、愛知県)や、マルチまがい商法として社会問題になった全国八葉物流(株)(負債495億3800万円、東京都)などの大型倒産が多発したため。負債1000億円以上の倒産は1件(前月2件、前年同月2件)、負債100億円以上は19件(同21件、同13件)、負債50億円以上は31件(同37件、同25件)、負債10億円以上は124件(同121件、同112件)発生している。
■主な倒産
シンコーホーム、全国八葉物流、ミナミ、一光住宅などが倒産
月中の主な倒産は、(1)(株)シンコーホーム(負債1400億円、愛知県)は、不動産開発・販売業者として名古屋市近郊で事業展開していたが、2001年11月には旧・住専への債務返済をめぐる売却代金詐取容疑で元役員が逮捕・起訴される事件が発生、対外信用が著しく低下していたなか、銀行取引停止となった(2)全国八葉物流(株)(負債495億3800万円、東京都)は、健康食品を特殊な代理店システムで販売していたが、この販売システムが連鎖取引にあたるマルチ商法であるとして社会問題となり、動向が注目されていたなか、事業継続を断念した会社側取締役により、準自己破産が申請された。(3)(株)ミナミ(負債289億円、東京都)は、大手スポーツ用品小売チェーンとして高い知名度を有していたが、ウインター商品の苦戦などから業績が悪化したため、旧社長が復帰して立て直しを図っていたものの、資金調達が限界に達し自主再建を断念、民事再生手続き開始を申請した。
特徴
■業種別動向
小売業(236件)を除くすべての業種で前年同月比増加、特に増加率が30%を超える高水準となった製造業(299件)の増加ぶりが目立つ
業種別の倒産動向は、前年同月比でみると小売業(前年同月比0.4%減、236件)を除く全業種で増加となった。
特に、製造業(前年同月比34.1%増、299件)は5ヵ月連続の前年同月比増加となったうえ、30%を超える大幅増加率を記録し、全業種に占める割合も増しているなど(前年同月の構成比16.4%→今月の構成比18.5%、2.1ポイント増)、増加ぶりが目立っている。
また、卸売業(同25.1%増、309件)、建設業(同24.1%増、484件)、不動産業(同21.4%増、51件)の各業種でも、それぞれ20%を超える増加率となっている。
一方、小売業(前年同月比0.4%減、236件)は、3ヵ月連続して前年同月を下回っている。
■形態別動向
民事再生法は90件発生、破産(384件)は25ヵ月連続して前年同月比増加
倒産形態別では、破産(384件、前年同月比47.1%増)が、2000年1月以来25ヵ月(2年1ヵ月)連続して前年同月を上回り、4ヵ月連続の300件超えを記録した。
民事再生法(90件、同16.9%増)は、6ヵ月連続の前年同月比増加で2ヵ月ぶりに90件以上の高水準となった。なお、すでに倒産して前月までに集計済みの企業のうち、同法へ移行した3件を含めると、月中の申請件数は93件となっている。
特別清算(20件)は、2ヵ月連続の前年同月比減少となったものの、3ヵ月ぶりに20件台の高水準となった。
更生法(1件)は、3ヵ月連続の発生となったが、商法整理は4ヵ月連続で申請がない状況が続いている。
■上場企業の倒産
ケイビー、殖産住宅相互、北の家族、イタリヤードの4件で5ヵ月連続の発生、月間4件は過去最多で、2001年度の合計は13件に達する
上場企業の倒産は、月中、店頭上場で冷凍食品卸・製造の(株)ケイビー(負債204億9000万円、東京都)、東証1部上場の住宅建築工事、殖産住宅相互(株)(負債135億円、東京都)、店頭上場で居酒屋経営の北の家族(株)(負債116億円、東京都)、大証2部上場で婦人・紳士服企画販売のイタリヤード(株)(負債58億円、京都府)の4件で、5ヵ月連続の発生となった。
この結果、月間4件は昨年11月と並んで過去最多となったほか、年度ベースでみると、2001年4月〜2002年1月の合計は13件に達し、うち東証1部上場が6件を占めている。
■不況型倒産
不況型倒産1247件、構成比は77.0%に達し9ヵ月連続して75%以上の高水準、不況要因によって倒産に追い込まれた企業が、全体の約4分の3を占める
月中の不況型倒産は1247件(前月1129件、前年同月967件)発生、前月を118件(10.5%増)、前年同月を280件(29.0%増)それぞれ上回り、2ヵ月ぶりの前年同月比増加となるとともに、12ヵ月連続して1000件を超す高水準となった。
不況型倒産の構成比は77.0%(前月75.0%、前年同月71.2%)に達し、2001年5月(76.9%)以降9ヵ月連続して75%以上の高水準となっている。
■「民事再生法」申請による倒産
「民事再生法」申請による倒産は90件、他の倒産手続きからの移行分3件を含めると申請件数は93件発生、2000年4月からの申請件数の累計は1667件に達する
2000年4月に施行された新倒産法「民事再生法」は、再建型倒産手続きの基本法として浸透し、中小企業から上場クラスの大企業まで、様々な規模・業種において申請がなされている。
1月の民事再生法申請による倒産は90件(前月73件、前年同月77件)発生、前月比で17件(23.3%増)の増加で、前年同月比でも13件(16.9%増)の増加となった。
また、前月までに倒産として集計済みの企業のうち、同法への移行は3件あり、これを加えた1月の申請件数は93件となった。これにより、民事再生法の施行された2000年4月から1年10ヵ月間の累計は、移行分(75件)を含め1667件に達した。
今後の問題点
■地雷原の一つと目されてきた大手スーパーのダイエーが、メーンバンクによる約4200億円の優先株100%減資を含む金融支援によってとりあえずの危機を脱した。今回のダイエー支援こそ、国家主導によるダイエー発金融危機の回避策であり、ペイオフ凍結解禁と3月期決算を前にして混乱だけは何とか封じ込めようとしたものである。さらに、住友建設と三井建設の統合発表を機に、債権放棄ゼネコンの統合構想が急浮上、政府・金融当局主導によるゼネコン危機封じの動きも表面化している。しかし、ダイエーの再建策が象徴するように、今回の危機回避はあくまで一時しのぎの延命策の域を出ず、抜本解決はまたも先送りされたことになる。一方で、景気一致指数は12ヵ月連続の50%割れ、完全失業率も12月は5.6%と過去最悪を更新しつづけるなど実体経済は悪化の一途を辿っている。小泉政権は深刻化するデフレ、不良債権処理の遅れ、構造改革の後退、支持率の急降下が引き金となって、銀行への公的資金再注入や日銀の限界を超えた金融緩和、中小企業対策などの総合デフレ対策を巡って足並みの乱れを見せるなど、いよいよ機能不全ぶりを露わにしてきた。
■金融システムは再び危険水域に近づいてきた。朝日生命保険と東京海上火災保険との統合前倒しが白紙撤回という事態となって改めて問題の根深さが明らかになるなかで、不良債権処理のための公的資金再注入を催促する株式市場では日経平均株価がバブル後最安値を更新、さらに大手銀行・生保の含み損拡大と格下げ、長期金利の上昇、国債の暴落リスクなど、金融システミックリスクへの懸念は高まり続けている。また、金融庁の特別検査が最終ラウンドに入り、問題企業の債務者区分を巡って銀行との熾烈な攻防が繰り広げられるのに伴い、問題企業に対するプレッシャーも強まっている。その対象は、ゼネコン、流通ばかりでなくデベロッパー、商社、ノンバンク、メーカーまで波及、企業の信用不安と金融システム危機はスパイラル的に増幅している。
■4月のペイオフ凍結解禁に向けて、地域金融機関の昨年からの短期間での集中破綻処理が地元企業を直撃している。もちろん大手銀行を含めて金融機関は、何とか公的資金の再注入、経営責任を逃れようと、立場の弱い経営不振企業をターゲットとした貸し渋り、貸し剥がしに一段と拍車をかけている。「突然、メーンバンクから借り入れ金利を3%から13%に引き上げると通告された」(中小建設業者)、「銀行に3000万円を返せば、5000万円を新規融資すると言われたので、知人や親戚から借りて何とか3000万円を返したが、結局、新規融資を断られた」(地場流通業者)など経営者の悲鳴は後を絶たず、老舗や地場企業の大量倒産はこれから本番を迎える。
■2002年1月の企業倒産は1620件と、前年同月を262件、19.3%上回り、1月としては戦後最悪を記録。負債総額も前年同月比10.1%増の1兆672億8600万円と、1月としては戦後最悪となり高水準で推移した。企業の業績と財務体質の悪化ぶりは目を覆うものがあり、いまや銀行と企業間のみならず、一般企業間の信用収縮はピークに達しており、過去の蓄積を食い潰しながら何とか存続している倒産予備軍は雪だるま式に膨れ上がっている。2、3月危機が囁かれるなか、2月12日のそうご電器で上場企業は今年すでに5社が倒産した。当面は小泉政権流の先送りによって銀行の許容範囲内での不良債権処理が主流になりそうに見えるが、銀行も一般企業も、バランスシートの毀損が限界に近づいている実態からして、制御不能の倒産連鎖への不安は拭えない。3月期決算を控えて、倒産は一段と増加傾向を強め、2001年度は2万件を超えて戦後最悪水準に迫るものと思われる。

