ホーム統計・レポート


TDBマクロ経済見通し

2011年8月17日

TDBマクロ経済見通し−2011・2012年度改訂−2011年8月−

2011年4〜6月期GDP統計速報の公表をうけ、帝国データバンクは2011・2012年度のマクロ経済に関する見通しを改訂しました。

名目成長率 2011年度▲1.5%、2012年度+2.5%

実質成長率 2011年度+0.5%、2012年度+2.7%

〜2011年度、内需を中心にプラス成長を維持、2012年度に復興へと進むが円高が懸念材料〜

東日本大震災からの復旧・復興が進むなか、海外経済の景気減速や円高が日本経済の新たな懸念材料となっています。8月15日に内閣府から発表された国内総生産(GDP)速報によると、2011年4〜6月期の日本経済は1〜3月期と比べて−1.3%(年率)の成長となり、3四半期連続のマイナスでした。

帝国データバンクでは、この結果や前回のマクロ経済見通し(6月13日)以降に発表された各種経済指標の動向を踏まえて、2011・2012年度マクロ経済見通しの見直しを行いました。

予測のポイント

2011年度の実質GDP成長率、震災の影響で大幅に下押しされるも、内需を中心にプラス成長を維持

2011年度の日本経済は東日本大震災の影響により大きく下押しされる見通しです。消費は東日本大震災後の自粛ムードによる消費マインド低迷のほか、家電エコポイントなどの政策効果が剥落する影響も拡大するため、3年ぶりのマイナス成長と見込まれます。住宅投資は長期金利の下げ止まり傾向に加えて、住宅購入資金にかかる贈与税非課税枠拡大などプラス材料も多くあります。さらに震災への対応にともなう住宅再建の増加も見込まれ、7年ぶりに増加する見通しです。海外経済をみると、米国では国債格付けの引き下げにともなう金融市場の動揺や雇用動向の回復遅れのほか、欧州ではソブリン・リスクがイタリアやスペインにも波及し不透明感が増している状況です。しかし、各国ともさまざまな下振れリスクを抱えているなかで、基本的な経済力に急激な変化が訪れる可能性は少なく、緩やかに成長を続けるとみられます。ただ、円高や震災によってサプライチェーンが寸断された4〜6月期の落ち込みを取り戻すことはできず、輸出は前年度の大幅増加から一転してわずかながらマイナスになると見込まれます。設備投資は震災によってサプライチェーンが大きく傷つけられたことで部品供給が滞り、生産活動にも支障が生じましたが、復旧需要が今後現れてくると予測されます。一方、東日本大震災への対策で公共投資は2年ぶりのプラスに転じ、政府支出も増加する見込みです。2011年度は4〜6月期の実質GDPが−1.3%(年率)の減少にとどまったことから、年度後半の財政支出などにともなう復興需要など内需が支える1年になると予測されます。

2012年度、内需を中心に2%を超える成長に

2012年度の日本経済は財政支出にともなう公的需要の拡大のほか、震災復興の本格化などで、設備投資や住宅投資などが成長に寄与する見通しです。また、消費も再び拡大傾向を示すとみられます。震災復興に対する財政支出は2012年度も継続して実施されるとみられ、公共投資は2年連続で増加すると見込まれるなど、公的需要の寄与度はプラスになると予測されます。震災による被害を受けていた生産設備の復旧、稼働率の上昇などが起こり、また外需も引き続き持ちこたえるとみられることから輸出は拡大すると予測されます。一方、設備投資は被災した設備の再建に加え、輸出の拡大や収益環境の好転などが重なり3年連続で増加するとみられます。また、設備投資の拡大とともに雇用環境にも好影響がおよび始めるとみられ、個人消費は安定した伸びになると見込まれます。東京スカイツリーの開業や夏季オリンピック・ロンドン大会などのイベントもあり、耐久財消費やサービス消費のプラス材料は多くあります。また、長期金利の低下や震災からの復興による住宅建設の増加が見込まれることから、住宅投資は2年連続でプラスになるとみられます。外需の拡大に加えて、内需を中心とした復興需要が経済全体の成長率を押し上げる見通しです。


現在、日本経済は自律的回復とは言い難い状況のなかで、東日本大震災が起こり、原発事故の影響も長期化しています。そこに海外経済の不透明感の増大や円高など、外部からの懸念材料が生じてきました。この難局を乗り切るためには、政府や企業、個人がそれぞれの果たすべき役割を着実に実行していくことが重要です。

詳細は発表資料(PDF 488KB)をご覧ください。

お問い合わせ先

株式会社帝国データバンク 産業調査部 情報企画課

TEL:03-5775-3073 FAX:03-5775-3169

一覧

ページ先頭へ