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2005年6月13日

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〜 与信管理運用の基礎 〜
第19回:既存取引先判断 6
【全体管理】リスク指標等の入手→「倒産予測値」とは?

2つのリスク指標

【全体管理】を行う場合に利用するリスク指標として、前回の「評点」に続き、今回は「倒産予測値」の意味や算出方法、入手方法等を説明します。

倒産予測値の詳細はこちら

「倒産予測値」の意味

「倒産予測値」とは、「企業が1年以内に倒産する確率を予測する値」です。「評点」では企業を様々な視点から総合的に評価しますが、「倒産予測値」では倒産する危険性のみを評価しています。

「倒産予測値」は、帝国データバンクの信用調査と情報取材ネットワークにより蓄積した膨大な企業情報データベースをもとに、医学・薬学でも使われ る統計的な手法で計算されていますので、全て確率で表現されます。例えば「倒産予測値」3%という取引先が100社あれば、1年以内に3社程度が倒産する ことになります。

確率を考える場合、例えば降水確率で言えば50%あたりを基準と考えて、「80%だから、雨が降りそう」「20%だから、雨は降らないだろう」と言ったり しますが、「倒産予測値」では1.37%(統計モデル開発時の平均倒産発生率)を基準にして考えます。例えば、「倒産予測値」7%の企業があれば、平均的 企業の「倒産予測値」1.37%と比べて、約5倍の倒産するリスクを持つ「大変危ない企業」と言えます。


取引先の倒産予測値分布例


実際に企業の取引先「倒産予測値」分布を見てみると、限りなく0%に近い確率から10%を超える確率までの分布ということが多くあります。ですから、ほとんどの場合、取引を直ぐに見直す必要があると言えます。


「倒産予測値」の活用方法

【全体管理】においては、「倒産予測値」を以下のように活用できます。

1. 取引先全体の「倒産予測値」分布を見ることにより、全体のリスク状況を把握する。
2. 取引を見直すべき、リスクの大きな取引先を抽出する。
3. 新規取引先および既存取引先(リスク変動時)との取引可否を自動的に判断する。
(または、取引可否判断の1次フィルターとして活用する。)
4. 与信限度額(与信基準額、与信枠等)を算出するためのリスク指標とする。

「予測値」グレードの意味

また、「倒産予測値」という商品としては、確率だけではなく「倒産予測値」を10段階に区分した「予測値グレード」(G1〜G10)も提供し、リスクの大 きさを分かりやすく表現しています。10段階は、基準値となる1.37%に下表の倍率を掛けることによって算出しています。

「予測値」グレード


「予測値グレード」によって取引可否判断等のルールを作成した場合には、運用において分かりやすく実行できます。「予測値グレード」別の実際の倒産発生率 を利用することにより、与信限度額を算出する際に、信頼性がある重み付けを作成出来ます。
以上のように、【全体管理】として「全体のリスク分布把握」「取引可否判断」「与信基準額算出」等を行う上では、「倒産予測値」および「予測値グレード」は欠かせない情報となります。

「倒産予測値」の算出方法

「倒産予測値」は、膨大な企業情報データベースをもとに算出していますが、具体的な算出過程は以下のようになります。

1. モデル開発
「倒産予測値」の計算式を作る過程になります。
「信用調査報告書」の150ほどの各項目、倒産に関係するような「信用情報」等を、実際に倒産した企業と組み合わせて分析し、倒産する企業に表れやすい特 徴等を見つけ出し、ロジスティック回帰モデルという医学・薬学に使われるスタンダードな統計手法によって、倒産する確率を予測する計算式を事前に作っています。

2. 「倒産予測値」算出(月次、日次)
「倒産予測値」の計算式に最新データを入力し、最新の「倒産予測値」を算出します。
最 新の「信用調査報告書」と「信用情報」から計算式に使う該当項目を抽出し、企業毎に計算式に入力し、その計算結果が「倒産予測値」となります。その後、 「倒産予測値」の値により「予測値グレード」を算出します。これを毎月、「信用調査報告書」がある企業全てに対して行っています。

「倒産予測値」算出方法

「倒産予測値」の対象企業

2年以内の「信用調査報告書」があり、「評点」が算出されている企業が対象となります。銀行や病院等の一部の業種に関しては、「評点」および「倒産予測値」の対象外となります。
※対象となる業種で「信用調査報告書」が古い企業の場合、信用調査を行うことにより「倒産予測値」が算出できる可能性が高く、そうなると日本のほとんどの企業が「倒産予測値」の対象と言えます。

「倒産予測値」の特長

「倒産予測値」の特長としては、以下のものがあります。

1. 倒産するリスクのみを表わす指標になっています。
2. 医学・薬学で用いられる、基本的な統計的手法(ロジスティック回帰モデル)を使っています。
3. 日本最大規模の企業情報データベースを基にしているので、高精度な予測が可能になりました。
4. 評価結果を利用しやすくなる「予測値グレード」も提供されます。
5. 毎月算出されるので、取引先を継続的にウォッチすることが可能です。
6. 「信用調査報告書」を基に算出しているので、決算書を公開していない企業を対象にできます。
7. 信用リスク量(信用コスト、信用VaR等)を計算することも可能です。

「倒産予測値」の入手方法

「倒産予測値」のデータ項目は、以下の通りです。

【提供項目】



内容

備考

1

TDB企業コード

9桁

2

商号(漢字)

法人格有

3

商号(カナ)

法人格無

4

所在地

市区郡まで

5

業種

主業種(9文字)

6

調査年月日

8桁<YYYYMMDD>

7

倒産予測値

取りうる値:0〜1
小数点以下最高10桁

8

予測値グレード

1〜10の10段階

9

算出年月日

8桁<YYYYMMDD>


「倒産予測値」が「0.01」と表現される場合には、1%という意味になります。ただし、「倒産予測値ブラウザ」「煤iシグマ)」のソフト利用時、もしくは「C-モニタリング」サービス利用時には、パーセント(%)表示に既になっています 。


※「倒産予測値ブラウザ」とは、「倒産予測値」を見るための無償ソフトです。データをファイル読込すれば、予測値の変動のグラフ表示や、更に読み込んだ取引データと合わせてポートフォリオ表示が可能になっています。

「倒産予測値ブラウザ」ダウンロードはこちら


※「煤iシグマ)」とは、「信用調査報告書(PDF)」、「企業概要データCOSMOS2」、「企業財務データCOSMOS1」、「倒産予測値」などを読み込ん で、企業情報の管理を行うソフトです。各種検索やネットワーク対応等が整備されており、自社システムに合わせたカスタマイズも可能です。

「煤iシグマ)」の説明ページはこちら


※「C-モニタリング」とは、インターネットで簡単に「倒産予測値」を見ることが可能であり、与信基準額算出等の機能も付いているサービス(商品)です。 詳しくは後述します。また、次回には「C-モニタリング特集号」を予定しています。

「C-モニタリング」の説明ページはこちら

「倒産予測値」の入手方法

倒産予測値は、以下の入手方法があります。



<商品・サービス名>
<入手方法など>
1
信用調査報告書
<オプションサービス>

信用調査報告書の説明ページはこちら


オプションサービスの説明ページはこちら


「信用調査報告書」を電話等で依頼する際のオプションとして、「倒産予測値」の<ヒストリカルオプション>を付加することが可能です(別途料金必要)。

「信用調査報告書」を発送した翌日以降にメールが届きますので、そこに書いてあるアドレスから「倒産予測値」をダウンロードできる仕組みになっています。

このサービスでは、過去1年間の毎月の倒産予測値(前述のデータ項目のテキスト形式CSVデータ)を提供します。

1社を深く評価する場合の「信用調査報告書」に加えて、倒産する企業に共通する特徴が報告書の中にどのくらい出ているかどうかを「倒産予測値」で知ること が可能であり、「予測値グレード」を頭に入れながら報告書を読み解くことで、さらに深い理解が得られます。【重点管理】では、この活用方法が重要になりま す。

また、安定している企業では倒産予測値はあまり変動しませんが、リスクが高い企業ほど変動しやすくなります。したがって同じ倒産予測値でも、過去1年間の 「倒産予測値」を見ると、上昇中・下降中によって判断に違いが出ます。特に、最近になって倒産予測値が上がってきた場合には、要注意です。

なお、【全体管理】として後述の「C-モニタリング」「倒産予測値<セレクトサービス><フルサービス>」を既に利用している場合には、そちらから入手することも可能です。

2
SAFETY
<オプションサービス>

SAFETYの説明ページはこちら


オプションサービスの説明ページはこちら



SAFETYを申し込む際に、オプションとして、「倒産予測値」の<モニタリングオプション>を付加することが可能です(別途料金必要)。

毎月上旬にメールが届きますので、そこに書いてあるアドレスから「倒産予測値」をダウンロードできる仕組みになっています。

このサービスでは、毎月の倒産予測値(前述のデータ項目のテキスト形式CSVデータ)を提供します。

SAFETYでは年2回「信用調査報告書」が送付されますので、「信用調査報告書」<オプションサービス>と同様に、「予測値グレード」を頭に入れながら 報告書を読み解くことで、深い理解が得られます。【重点管理】としては、これが重要になります。

さらに、SAFETYで提供される「変動情報」および「信用情報」と共に「倒産予測値」の変動をウォッチすることで、【継続管理】が可能になります。倒産予測値が急に上がった場合には、要注意です。

SAFETY+<モニタリングオプション>で提供するサービス内容を整理すると、以下の通りになります。
1. 信用調査報告書(年2回)
2. 変動情報・信用情報(随時)
3. 倒産予測値(毎月)

なお、【全体管理】で後述の「C-モニタリング」「倒産予測値<セレクトサービス><フルサービス>」を既に利用している場合には、そちらから入手することも可能です。

3
C-モニタリング

C-モニタリングの説明はこちら


インターネットで取引先のモニタリングを行うサービスで、登録した企業の「変動情報・信用情報」「倒産予測値」を知ることが出来ます。(信用情報はセキュリティー上、電話も利用。)さらに与信基準額(与信限度額設定の目安)や対応方針も設定することも可能です。

COSMOSNET(インターネットでの企業情報提供サービス)から申し込みが出来ます(COSMOSNETの申し込みが事前に必要です)。

登録する企業は、インターネットだけで好きな時に始めて好きな時に終了できるので、「重要な取引先はずっと登録、新規取引先は1ヵ月だけ登録」も可能です。

提供されるのは、以下の2つのデータ、2つのツールです。

<データ>

1. 変動情報・信用情報(随時)

2. 倒産予測値(毎月)

<ツール>

1. 与信基準額算出(倒産予測値変動時に再計算)

2. 与信管理方針設定(倒産予測値変動時に自動変更)


※次回の「これから始める与信管理」でC-モニタリングの内容や活用方法等を特集します。

4
倒産予測値
<セレクトサービス>

セレクトサービスの説明はこちら


毎月、取引先の「倒産予測値」がCD-Rなどで配送されるサービスです。帝国データバンクの担当者に申し込むことで、すぐにサービス開始ができます。

このサービスでは、500社以上のまとまった社数の「倒産予測値」(前述のデータ項目のテキスト形式CSVデータ)を、毎月提供します。算出できる「倒産予測値」を全件提供することも可能です。

主に、一般事業会社で、取引先を全体的に管理したい場合に有効です。
全件であれば、金融機関等での利用も有効です。

活用方法は、以下のものがあります。

1. 【全体管理】このサービスで取引先の倒産予測値をできるだけ多く用意して、取引可否判断や与信基準額設定に利用する。

2. 【全体管理】自社の取引状況データ(年間取引高、前月末売上債権残高、与信基準額等)と合わせて、ポートフォリオ表示をする。

3. 【全体管理→重点管理】倒産予測値が高い順(危ない企業順)に並べて、チェックすべき取引先をリストアップする。

4. 【継続管理】前月から倒産予測値が上昇した、至急チェックすべき取引先をリストアップする。

「倒産予測値ブラウザ」の利用により、2〜4が実現できます。

「倒産予測値」の位置づけ

以上のように様々な提供形態はありますが、「倒産予測値」は統計的な手法を基にした評価情報になりますので、より多くの取引先を比較評価する際に最も威力 を発揮します。したがって、「企業概要データCOSMOS2」(「評点」を含む企業概要データ)と共に「倒産予測値」を使うことは、与信管理において【全体管理】の基本 となります。
「評点」とともに「倒産予測値」も導入して、より精度の高い判断を出来るようになることは、与信管理の構築には欠かせないでしょう。
※「倒産予測値」を実感したい方は、調査依頼の際に<オプションサービス>を申し込むか、「C-モニタリング」で簡単にお試しください。
※倒産予測値の精度やサービス詳細を知りたい方は、こちらからサービスマニュアルをダウンロードしてください。

お問い合わせ先

帝国データバンク 企総部 企画課

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